2016 Fiscal Year Research-status Report
反応拡散系パターンの自己組織化機構を用いたメッシュ生成法の発展
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26400213
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
上山 大信 明治大学, 総合数理学部, 専任教授 (20304389)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 反応拡散系 / メッシュ生成 / パターン形成 / 偏微分方程式 / 数値解析 / 国際研究者交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、反応拡散系におけるパターン形成の自己組織化能を活用し、2次元または3次元自由領域において高品位なメッシュを自動的に作成することである。これまでの研究で、Gray-Scottモデルと呼ばれる反応拡散系における自己複製スポットパターンは、2次元自由領域において、領域形状に合わせて均等に配列することがわかっており、またその配列は数値シミュレーション等で用いられるメッシュとして最適な正三角形に分布することも知られている。自己複製スポットパターンを用いたメッシュ生成は、領域の形状変化を伴う問題の際にも有効であると考えられるが、領域の境界におけるスポットの扱いに困難が生じていた。今年度の研究で、境界において、パラメータを適切に変化させることによって、適切かつ自動的にスポットを境界上に配置できる見込みが得られ、領域変形に追従する自動メッシュ生成の可能性を広げた。 また、本研究は Unconventional computing に関わる研究であるが、特に化学反応系におけるパターン形成を用いた実験系の作成にも発展が期待される。化学実験を用いて自己組織化現象を研究している研究者との共同研究を同時に進めることで、より安定して高速化可能な手法の開発を目指している。特にナノパーティクルを用いたボロノイ分割の例は、メッシュ生成に通じるものがあり、今後、本手法に取り込む事を検討している。急速なコンピュテーショナルパワーの増大は、コンピュータシミュレーションの可能性を大いに高めている。今後、そのために必要となる質の高いメッシュを自動的に生成する手段として、本研究の重要性は高まると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
その他業務の多忙等の理由により、当初予定していた海外での成果発表や研究打ち合わせの為の出張を全てキャンセルせざるを得なかった。その為、3次元問題への拡張に関する研究が停滞している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間を延長し、昨年度計画していた海外での成果発表や研究打ち合わせを実施する。特に、より柔軟でロバストなメッシュ生成機構の発見と構築を行い、特にニーズが多いと思われる3次元領域における自動メッシュ生成ソフトウェアのプロトタイプを作成する。
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Causes of Carryover |
その他業務の多忙等の理由により、当初予定していた海外での成果発表や研究打ち合わせの為の出張を全てキャンセルせざるを得なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
昨年度予定していた、海外での成果発表や研究打ち合わせを実施するとともに、メッシュ生成アルゴリズムを検証及び3次元問題のプロトタイプの作成のために、新たに小規模なシミュレーション設備の購入を計画している。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] 比率調整を考える2016
Author(s)
上山大信
Organizer
第26回 非線形反応と協同現象研究会
Place of Presentation
明治大学
Year and Date
2016-12-10 – 2016-12-10
Invited