2014 Fiscal Year Research-status Report
彗星・デブリ円盤ダストは変成した星間塵か?それとも原始惑星系円盤凝縮物か?
Project/Area Number |
26400230
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
木村 宏 神戸大学, 理学(系)研究科(研究院), 研究員 (10400011)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 星間ダスト / 局所星間雲 / 元素存在量 / 有機物 / シリケイト |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の特色は、その場測定や室内実験など惑星科学の分野で得られた知識を天文分野にフィードバックし、天文観測データの解釈に新たな視点を提供することである。当該年度、スターダスト探査機でサンプルリターンされた星間ダストの分析結果が発表された (Westphal et al. 2014, Science 345, 786)。さらに、カッシーニ探査機における星間ダストその場分析チームに加わり、星間ダストの物質同定を行った。また、局所星間雲に関する新たな描像が提案された (Gry & Jenkins 2014, A&A 567, A58)。これらの研究で得られた知見から、星間ダストはどのような物質からなっているのかを知る有力な手がかりを得られることから、急遽、予定を変更して星間ダストの物質についての考察を行った。この変更は、当該研究の目的である「彗星・デブリ円盤ダストは変成した星間ダストか、それとも原始惑星系円盤凝縮物か、という問いに答えを見出す」上で、星間ダストの物質という基盤となる知識を得るために必要不可欠であった。 局所星間雲に関する新たな描像に基づいて、星間ガスの紫外線吸収スペクトルからの元素存在量データを分析することで、星間ダストの元素組成や弱いショックにより壊れてる様子を洞察することができた。マグネシウム、ケイ素、及び鉄の元素存在度の相関から、シリケイトに鉄を含まないことや、鉄は主に金属の形で星間ダストに存在することが分かった。また、ガス/ダスト質量比は約120であり、有機物がダスト質量の40%を占めることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度の研究では、研究実施計画に記載されたものとは異なった研究を行ったが、これは、平成27年度~平成28年度にかけておそらく行っていたであろう研究の先取りに相当する。したがって、順序は違うが交付申請書に記載した「研究の目的」の達成度という観点からは、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
星間ガスの紫外線吸収スペクトルから導出した局所星間雲における星間ダストの元素組成は解明したが、スターダスト探査機でサンプルリターンされた星間ダストの分析結果、カッシーニ探査機における星間ダストその場分析結果、および、星間空間起源ピックアップイオンのその場測定から得られる星間ダストの元素組成が、それぞれ矛盾なく説明できる星間ダストの物質を同定することが急務となっている。これは、太陽系内で検出された星間ダストや星間ガスが局所星間雲での組成をそのまま保持しているのかどうかを考察することで、平成27年度前半には解明されうると期待される。よって、平成27年度後半には、予定を変更前に行うはずであった平成26年度の課題に取り組むつもりである。
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Causes of Carryover |
円ーユーロの為替レートの変動により、論文別刷の金額が予想額と異なったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
論文別刷の一部として使用する。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Cosmic Dust VII2015
Author(s)
Hiroshi Kimura, Ludmilla Kolokolova, Aigen Li, Jean-Charles Augereau, Hidehiro Kaneda, and Cornelia Jaeger
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Journal Title
Planetary and Space Science
Volume: 未定
Pages: 印刷中
DOI
Acknowledgement Compliant
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[Presentation] Photoelectron Emission From an Airless Body and Dust Motion Above the Surface of the Body2014
Author(s)
Senshu, H., Kimura, H., Wada, K., Kobayashi, M., Namiki, N., Yamamoto, T., and Matsui, T.
Organizer
Cosmic Dust
Place of Presentation
Umeda Satellite Campus of Osaka Sangyo University, Osaka, Japan
Year and Date
2014-08-04 – 2014-08-08
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[Presentation] Current Status of Mercury Dust Monitor (MDM) Onboard BepiColombo MMO Spacecraft2014
Author(s)
Shibata, H., Nogami, K., Fujii, M., Kobayashi, M., Ohashi, H., Sasaki, S., Miyauchi, T., Iwai, T., Kimura, H., Takechi, S., Yano, H., Hasegawa, S., Hirai, T., Hattori, M., Srama, R., and Gruen, E.
Organizer
40th COSPAR Scientific Assembly
Place of Presentation
Lomonosov Moscow State University, Moscow, Russia
Year and Date
2014-08-02 – 2014-08-10
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[Presentation] Mercury Dust Monitor for the BepiColombo MMO2014
Author(s)
Kobayashi, M., Shibata, H., Nogami, K., Fujii, M., Miyachi, T., Ohashi, H., Sasaki, S., Iwai, T., Hattori, M., Kimura, H., Hirai, T., Takechi, S., Yano, H., Hasegawa, S., Srama, R., and Gruen, E.
Organizer
Asia Oceania Geosciences Society 11th Annual Meeting
Place of Presentation
Royton Sapporo Hotel, Sapporo, Japan
Year and Date
2014-07-28 – 2014-08-01