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2014 Fiscal Year Research-status Report

コンパクト連星の相対論的準平衡解に関する数値的研究

Research Project

Project/Area Number 26400267
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

谷口 敬介  東京大学, 総合文化研究科, 助教 (70586528)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywordsブラックホール / 中性子星 / 連星系 / 準平衡解 / スペクトル法 / 数値計算
Outline of Annual Research Achievements

本研究の最終目的は、連星中性子星やブラックホール‐中性子星連星といったコンパクト連星の準平衡解の研究において、今まで考慮されていなかった効果を取り入れることにより、その効果の準平衡段階への影響を調べ物理過程を解明すること、そして、求めた準平衡解を数値シミュレーションの初期データとして提供し、重力波物理学へ貢献することである。そのための第一歩として、今年度はコンパクト連星の準平衡解の高精度計算を実現するための基礎研究に取り組んだ。具体的には、数値計算法としてスペクトル法を採用し、数値的なスペクトル展開について、開発に取り組んだ。この開発が終了したのち、その数値計算コードを用いて解析解が存在する方程式を解き、計算精度が十分出ているかどうか、テスト計算を行った。その結果、求める精度が正しく得られていることを確認することができた。今まで私は、私も開発者の一人として参加している国際共同研究で開発され、一般にも公開されている数値計算コードライブラリーを使用して研究を行ってきたが、今回、自分自身のコードを基礎段階とはいえ開発したことは意義がある。
コンパクト連星の準平衡解を具体的に求める場合、本研究では座標系として双球座標を使用する予定であるので、上記のようにスペクトル展開を数値的に行うコード開発を行ったあと、引き続き、双球座標の座標系の張り方とその座標系とスペクトル展開に使った変数との間の写像についての研究に取り組んだ。具体的には、それら二つの座標系をどのように関係付けたらいいのかを確認するため、まず先行研究を参考にしつつ解析的な導出を行った。この研究についてはまだ完了しておらず、現在はその導出した関係を使い、数値計算コードを実装しているところである。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

今年度は、高精度数値計算を実現するためのコード開発の基礎部分を完了し、連星ブラックホールの準平衡解を求めて先行研究と比較するというテストまで行う予定であった。しかし実際は、スペクトル展開を行う数値計算コード開発と双球座標導入のための解析的な準備段階までしか到達することができなかった。このように研究が遅れてしまった理由は二つある。一つ目は、修士課程の大学院生の研究指導に、思いのほか時間を費やしてしまったことである。その院生の修士論文執筆のための研究が遅れていたため、強力なバックアップを伴う研究指導が必要になった。またもう一つの理由は、私が年度末に所属研究機関を異動したことである。そのための準備に時間を取られ、研究時間が減少してしまった。このように、研究が遅れた理由は想定していなかった事態が発生したことによる研究時間の減少であり、研究計画に書いた内容に困難があったわけではない。

Strategy for Future Research Activity

まず始めに、今年度実施を予定していたが完了しなかった、双球座標を用いた数値計算コード開発の続きを行う。この部分は本研究の重要箇所の一つであるので、確実に開発を完了させる。また、開発した数値計算コードが正しく動き、十分な精度が得られているかを確認するためのテストである、連星ブラックホールの準平衡解を求め先行研究と比較する、ことも行う。これを達成しなくては、開発した数値計算コードを用いて新たに行った研究の結果の信頼性が得られないからである。
これらの研究を終えたのち、元々の平成27年度の計画であった、コンパクト連星の動径方向への落ち込み速度の入った準平衡解を求める研究に入る。

Causes of Carryover

今年度は、計画した研究にやや遅れが生じたため、規模の大きな数値計算を行うことができなかった。そのため、数値計算を行うコンピュータ2台とコンパイラーを購入するための資金を今年度使用せずに、翌年度に繰り越すことにした。

Expenditure Plan for Carryover Budget

来年度は、今年度予定していたテスト計算と、来年度の研究計画に書いた新たな研究という、二つの数値計算を行う予定である。これらの研究を年度以内に終わらせるため、4台のコンピュータとコンパイラーを購入する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2015

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Acknowledgement Compliant: 1 results)

  • [Journal Article] Quasiequilibrium sequences of binary neutron stars undergoing dynamical scalarization2015

    • Author(s)
      K. Taniguchi, M. Shibata, and A. Buonanno
    • Journal Title

      Physical Review D

      Volume: 91 Pages: 024033-1-17

    • DOI

      10.1103/PhysRevD.91.024033

    • Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant

URL: 

Published: 2016-05-27  

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