2016 Fiscal Year Annual Research Report
A numerical study of relativistic compact binaries in quasi-equilibrium
Project/Area Number |
26400267
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
谷口 敬介 琉球大学, 理学部, 准教授 (70586528)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ブラックホール / 中性子星 / 連星系 / 準平衡解 / スペクトル法 / 数値計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終目的は、連星中性子星やブラックホール-中性子星連星といったコンパクト連星の一般相対論的準平衡解の研究において、今まで考慮されていなかった効果を取り入れることにより、その効果の準平衡段階への影響を調べ物理過程を解明することである。 この目的を達成するためには精度の良い数値計算を行う必要があるので、本研究では、スペクトル法という数値計算法を用い、座標系に双球座標を採用している。初年度は数値的にスペクトル展開を行う数値計算コードの開発と、その精度確認のためのテスト計算を行った。昨年度は、双球座標の座標系の張り方とその座標系とスペクトル展開に使った変数との間の写像について研究した。今年度は、昨年度から取り組んでいる準平衡解の数値的研究で重要なポアソン方程式を解く数値計算コードの開発を引き続き行い、ポアソン方程式の左辺に含まれるラプラス演算子の実装を完了した。また、くり貫いたブラックホールの見かけの地平面で境界条件を課すこともできるように改良した。コンパクト連星の一般相対論的準平衡解を求めるには、今後、5本のポアソン型方程式を連立し、反復法を用いて解く数値計算コードの開発を行わなくてはならない。年度内にこの段階まで達することができなかったが、今年度までに開発したポアソン方程式を解く数値計算コードは本研究の不可欠な部分であり、今後、準平衡解の研究を推進していく上で重要な役割を果たすことになる。 上記の研究と並行して、球座標を用いて作成した連星中性子星の初期データを数値シミュレーショングループに提供し、合体シミュレーションの結果を得ている。
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Research Products
(2 results)