2017 Fiscal Year Annual Research Report
Structure and evolution of neutron stars from viewpoint of their global magnetic fields
Project/Area Number |
26400276
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小嶌 康史 広島大学, 理学研究科, 教授 (10192577)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 宇宙物理 / 中性子星 / 磁気圏 / 相対論 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)マグネターは強い磁場と強い重力がともに関係する中性子星である。一般相対論効果による空間の曲がりの効果を取り入れた結果、平坦な空間でのものに比べ、磁気圏に蓄えられるエネルギーの最大値はほぼ一桁増加することがわかった(前年の論文DOI 10.1093/mnras/stx584)。そのForce-free磁気圏構造を今年度はさらに調べた。フレアが起きる時はプラズマを外部に放出するために、一時的に開いた磁気圏構造となる。その状態に蓄えられるエネルギー状態は真空の双極子磁場のものより高いので、フレア以前にはそれ以上のエネルギーを貯める必要があり、その可能な状態を探った。その結果、星の表面近傍にできる、磁場のポロイダル成分とトロイダル成分が非線形効果で絡み合ったフラックスロープの形成が重要で、それが形成されるならエネルギー的に磁気圏が開くことが可能なことがわかった(論文DOI 10.1093/mnras/sty176)。一般相対論の効果はその構造を支えるように働いていることがわかる。また、表面の磁場構造は単純な双極子磁場でなく他の多重極子の成分が重なった状態であると考えられる。その影響を調べるため、一つのモデルとして四重極子磁場を考慮した(論文印刷中DOI 10.1093/mnras/sty866)。空間的な限られた領域にのみ電流が流れる磁気圏なら、より小規模現象が可能であることがわかった。 (2)ブラックホールの回転エネルギーを電磁気的に取り出す過程としてBlandford-Znajek過程が理論的に考えられている。国内でも研究する研究者が多数おり、その討論の場として「不惑BZ77研究会」を主催した。また同時に、ブラックホール磁気圏へ落下する電荷が正と負の二成分の流体の微視的モデルを研究し、WKB解をより詳細に解析を行った結果を公表した(arXiv171107628) 。
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