2014 Fiscal Year Research-status Report
精密宇宙論研究に向けた3+1次元重力レンズ光伝搬数値実験技法の開発
Project/Area Number |
26400285
|
Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
浜名 崇 国立天文台, 理論研究部, 助教 (70399301)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 宇宙物理 / 観測的宇宙論 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度においては、新たに開発を行う光伝搬数値実験技法に適したN体計算法の開発を行った。特に光の軌跡上での重力ポテンシャルをどのように計算するかという点を重点的に研究した。従来の光伝搬数値実験技法においては、3次元物質密度場を奥行き方向に適当な厚さ間隔で射影した連続する2次元射影密度場で近似した多重レンズ面近似が用いられていた。しかし、新規技法においてはこの近似は用いず、光の伝搬に対応した場所と時間での3次元物質密度場の情報を用いる事を計画している。これを実現するためには、3次元物質密度場の数値計算を行っているN体計算法に、光の伝搬を同時に処理し、適切な場所と時間で3次元物質密度場の情報を出力する機能を加える必要がある。このために本年度は、Gadget2とGreemという2種類のN体計算法について、その拡張性についての検討を行った。実際的な実装については、利用する計算機の能力との兼ね合いもあるので、その点も合わせ引き続き研究を進めている。また、光の伝搬の基礎方程式である null 測地線方程式(光の運動方程式)と、微小光束断面積の伝搬に伴う発展方程式である測地線偏差方程式の数値解法の研究もおこなった。解くべき方程式は連立微分方程式であり、その数値計算プログラム化は比較的標準的な方法で可能であるが、それを解く際に必要となる重力場の情報がN体計算では粒子の位置で計算されているので、なんらかの方法でもってそこから光の軌跡上での重力ポテンシャルを評価する技法の開発が必要であり、それについての研究開発を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画においては、初年度は新規ray-tracing技法の開発、および新規技法の実装とテストを行うことを計画していた。実際的なテストを行うまでには至っていないが、技法の研究開発はおおむね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
初年度に行った、新規ray-tracing技法の開発および新規技法の実装とテストを進める。小規模なN体数値計算を用いて理論予言が可能な構造形成の線形段階の計算を行い、それでもって数値シミュレーションの実際的なテストを行う。
|
Causes of Carryover |
予定していた国外出張が日程の調整がつかず次年度へ延期となったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
延期となった国外出張旅費に充てる。
|
Research Products
(4 results)
-
-
-
[Journal Article] Universal profiles of the intracluster medium from Suzaku X-ray and Subaru weak-lensing observations2014
Author(s)
Okabe Nobuhiro, Umetsu Keiichi, Tamura Takayuki, Fujita Yutaka, Takizawa Motokazu, Zhang Yu-Ying, Matsushita Kyoko, Hamana Takashi, Fukazawa Yasushi, Futamase Tasushi, Kawaharada Madoka, Miyazaki Satoshi, Mochizuki Yukiko, Nakazawa Kazuhiro, Ohashi Takaya, Ota Naomi, Sasaki Toru, Sato Kosuke, Tam Sutieng
-
Journal Title
Publications of the Astronomical Society of Japan
Volume: 66
Pages: id.99
DOI
Peer Reviewed
-