2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of 3+1 dimensional gravitational lensing numerical simulation method for precision cosmology researches
Project/Area Number |
26400285
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
浜名 崇 国立天文台, 理論研究部, 助教 (70399301)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 観測的宇宙論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度においては、本研究課題の目的の一つである大規模銀河探査観測データを用いた重力レンズ解析のための擬似重力レンズシミュレーションデータの作成を重点的に行った。これは、現在日本の研究者が中心となり、すばる望遠鏡の主焦点カメラ「Hyper SuprimeCam」を用いて実施している大規模銀河探査観測「Hyper SuprimeCam戦略枠サーベイ」の初期データリリースが2017年2月に行われることとなったため、そのデータを用いた重力レンスデータ解析をすみやかに行えるよう、そのデータリリース前に擬似データを準備する必要が生じたためである。数値シミュレーションは大規模なN体重力計算による構造形成シミュレーションと全天重力レンズray-tracingシミュレーションからなる。これら数値シミュレーションはN体重力計算プログラム「Gadget2」と前年度までに本研究課題で開発した全天重力レンズシミュレーションプログラム「GRayTrix」を用いて、国立天文台・天文シミュレーションプロジェクトのスーパーコンピューターを用いて実施した。擬似シミュレーションデータは、重力レンズ密度場、潮汐場、光の曲がり角の全天データ、およびN体計算から得られた3次元密度場中から同定された暗黒物質構造(ハロー)からなる。データセットのサイズは現在のところ世界最大である。これら作成されたデータは、重力レンズ解析の理論モデルテンプレートの作成、観測量の共分散行列の計算、擬似観測データを用いた観測データ解析の検証などに用いられ、観測データの解析において重要な役割を果たしている。
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Research Products
(4 results)