耐放射線性能を有する高時間高位置分解能中性子検出素子の開発

2014 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 26400301
• Research Institution: High Energy Accelerator Research Organization
• Principal Investigator: 島崎 昇一 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 専門技師 (80391803)
• Project Period (FY): 2014-04-01 – 2017-03-31
• Keywords: 中性子 / 中性子検出

Outline of Annual Research Achievements

中性子検出用素子として高位置分解能(100um未満)、高時間分解能(10nsec)、耐放射線性能、低消費電力、小型、低価格の特徴を併せ持つ中性子検出器を作るための検出素子の開発を行った。
この素子をベースに中性子コンバータをボロンから水素を含んだ物に変える事で広範囲のエネルギーに渡り中性子の検出が可能になる。
平成26年度は先ずはじめに関係者と仕様を決定し、それに基づいて回路図の作成を行った。回路図は回路シミュレーション装置を用いて仕様に沿って動作をするかを細部にわたってシミュレーションを行い、制作しようとする回路に問題が無いことを確認後に商用プロセスを利用して評価用のサンプルとしてシリコンピクセル関連、アナログ値読み出し用、低雑音化ピクセル読み出しと3種類の集積回路を制作した。
集積回路をサブミットしている間には集積回路が出来上がってきた時のテストの為の回路図や集積回路から外部に配線する為のボンディング仕様書、テスト回路タイミングチャートなどを準備した。平成27年度はこれらの評価用サンプル集積回路をテスト基板に実装して通常のテストに加え冷却テストやJ-PARCでのビームテストなどを行った上でそれぞれの仕様に沿ったデータを確認する。

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は、シリコンピクセル検出器の静特性評価用サンプル、アナログ値読み出し素子を1ピクセルサイズ7um x 30um角330kピクセル数の評価用サンプル、及び低雑音化ピクセル読み出し回路サンプルの３種類を制作した。現在製作したピクセル集積回路のテスト回路基板の評価中である。

Strategy for Future Research Activity

テスト基盤での評価終了後に本研究ではサンプルをJ-PARCビームラインモニターの後方に設置し、オフリーク電流の変化を測定し10kGy以上の放射線性能の検証を行う。また放射能耐性のテストとガンマ線に対する感度などもテストを行う。

Causes of Carryover

ASICは制作したが、テスト基盤への実装は済んでおらず今年度に評価する予定である。

Expenditure Plan for Carryover Budget

平成２７年度の物理学会等で使用予定である。