2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26400303
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
千代 浩司 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 専門技師 (10391799)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長坂 康史 広島工業大学, 情報学部, 教授 (20299655)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | データ収集システム / ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
我々が開発を行っている汎用のデータ収集システム(DAQ)ソフトウェアフレームワークであるDAQ-Middlewareの高度化を行う。高度化とは現在のDAQ-Middlewareの制御機器機能を強化し外部機器の制御とデータ収集の同期化を可能にすることである。これにより「計測・制御シーケンス自動化」を実現することができる。原子核素粒子実験においてはビーム輸送系の制御を行いながら高品質なビームを使用し効率的でバックグラウンドの低い実験が可能になる。また他の加速器を使用したサイエンスでは非可逆過渡現象の測定やビームの偏極等の性質を制御しながら試料を観測する実験をより効率的に行う環境を提供することができる。 既存のDAQ-Middlewareでは、loaded、configured、runningおよびpausedという状態が定義されており、これらの状態、および状態間を遷移するときに必要な関数が呼ばれるという仕組みになっている(それぞれ状態関数、状態遷移関数という)。これらの関数を実装することで実験に適合するDAQシステムを完成させる。この状態関数、および状態遷移関数はデータ収集のためには十分であることが実際に利用されている実験によりわかっていたが、データ収集実行中に実験に必要となる機器の制御をするためには不十分であることが判明していた。 データ収集機能と機器制御機能を統合することにより、シナリオに基づく自動データ収集システムの構築も可能になる。そこでシナリオ制作支援機能の追加も行う。 本年度は前年度の設計に基づき、実装を行い、動作確認、予備的性能測定を行った。またシナリオ作成支援ツールの作成を行った。さらに国際会議、関連学会でユーザーの方々の要望収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度の制御機器フレームワークの設計に基づき実装を終了することができた。また国際会議、関連学会などでユーザーの方々の要望を収集することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
機器制御フレームワークの実装が完了したので、それを利用する参照実装的なプログラムの作成を行い、詳細に性能評価を行う。また開発マニュアルなどの文書整備を行う。また国際会議などで研究成果の発表を行う。
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Causes of Carryover |
本年度は前年度に引き続き、研究者所属機関の既存のハードウェアを借用することができたので購入する必要が生じなかった。 また平成28年度は最終年度であり海外での成果発表を計画している。研究の進捗を検討した結果、当初の計画に比べて、より多方面での成果発表を行うこととなった。そこで、現在の予算を最終年度に繰り越し、その成果発表旅費に充当することとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
性能計測用機器の購入、研究打ち合わせ旅費、および国際会議での研究成果発表に使用する。
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Research Products
(3 results)