2016 Fiscal Year Annual Research Report
NMR studies of exotic electronic states in Pr based compounds with non Kramers doublet crystal electric field ground state
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26400359
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
藤 秀樹 神戸大学, 理学研究科, 教授 (60295467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小手川 恒 神戸大学, 理学研究科, 准教授 (30372684)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 多極子秩序 / 多極子相互作用 / 核磁気共鳴 / 結晶場 / 近藤効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) PrNb2Al20の非フェルミ流体状態に関する研究:単結晶PrNb2Al20については、H15年度までに決定したNb, Al-96g、 48f、16cサイトの超微細相互作用および四重極パラメータをもちい、緩和率およびスペクトルから結晶場に関する同定を行った。単結晶粉末化試料を用いた強磁場実験のスペクトル形状の磁気異方性解析から、結晶場基底状態は非磁性Γ3二重項であり、第一励起状態がΓ5であることを明らかにした。この結果は、中性子散乱の結果を再現する。また、19テスラまでのAl,NbサイトのNMR緩和率1/T1の磁場・温度依存性からは高温は局在結晶場モデルで説明できるが、低温ではこのモデルで説明できない低エネルギー励起を観測し、これが非フェルミ流体状態と関係している可能性を見いだした。 (2) PrTa2Al20の基底状態の研究:Al(96g) サイトの緩和率の種々の磁場、温度での実験を行い、低温で緩和率の急激な減少を明らかにし、これより温度磁場相図を作成した。その振る舞いは比熱の結果と整合しており、Γ3による電気四極子秩序が起きている可能性を明らかにした。また、この特異な相図について磁場誘起磁気双極子相互作用、もしくは磁気八極子相互作用が重要であることを明らかにした。 (3) PrT2Al20系の混成効果に関する研究:本研究で行ったT=Nb、Ta以外に、TiやV系の先行研究についても、高温での緩和率解析を行い、結晶場状態とcf混成に関する考察をおこなった。シングルイオンモデルを用いた解析から、cf混成と結晶場第一励起状態との拮抗が多彩な基底状態の起源であることを明らかにした。 (4)比較物質単結晶SmTa2Al20のNMRによる研究:転移温度以下で横緩和率1/T2の急激な増大を観測し、多極子揺らぎの存在を見いだした。
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Research Products
(30 results)
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[Presentation] 強磁性超伝導体UGe2の圧力下73Ge-NQRによる磁気ゆらぎの研究2017
Author(s)
野間雄一朗, 久保徹郎, 小手川恒, 藤秀樹, 芳賀芳範, 山本悦嗣, 大貫惇睦, 伊藤公平, E. E. Haller, 仲村愛, 本間佳哉, 本多史憲, 青木大
Organizer
日本物理学会 第72回年次大会
Place of Presentation
大阪府・大阪大学豊中キャンパス
Year and Date
2017-03-17 – 2017-03-20
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[Presentation] NMR/NQRによるPrT2Al20 (T=Nb, Ta) の磁気揺らぎの研究2017
Author(s)
久保徹郎, 藤秀樹, 三宅遼磨, 松野治貴, 小手川恒, 播磨尚朝, 東中隆二, 中間章浩, 青木勇二, 佐藤英行, 井原慶彦, 後藤貴行, 佐々木孝彦
Organizer
日本物理学会 第72回年次大会
Place of Presentation
大阪府・大阪大学豊中キャンパス
Year and Date
2017-03-17 – 2017-03-20
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[Presentation] YbNi4P2の31P-NMRによる研究2017
Author(s)
岸本恭来, 安岡弘志, K. Kliemt, C. Krellner, 藤秀樹, C. Geibel, M. Baenitz
Organizer
日本物理学会 第72回年次大会
Place of Presentation
大阪府・大阪大学豊中キャンパス
Year and Date
2017-03-17 – 2017-03-20
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[Presentation] 強磁性超伝導体UGe2の圧力下73Ge-NQRによる磁気ゆらぎの研究2016
Author(s)
野間雄一朗, 久保徹郎, 小手川恒, 藤秀樹, 芳賀芳範, 山本悦嗣, 大貫惇睦, 伊藤公平, E. E. Haller, 仲村愛, 本間佳哉, 本多史憲, 青木大
Organizer
日本物理学会 2016年秋季大会
Place of Presentation
石川県・金沢大学角間キャンパス
Year and Date
2016-09-13 – 2016-09-16
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[Presentation] 単結晶PrT2Al20 (T = Nb, Ta) のNMRによる研究2016
Author(s)
久保徹郎, 三宅遼磨, 松野治貴, 小手川恒, 藤秀樹, 播磨尚朝, 東中隆二, 中間章浩, 青木勇二, 佐藤英行, 井原慶彦, 後藤貴行, 佐々木孝彦
Organizer
日本物理学会 2016年秋季大会
Place of Presentation
石川県・金沢大学角間キャンパス
Year and Date
2016-09-13 – 2016-09-16
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[Presentation] UNi4Bの電流磁気効果のNMRによる検証2016
Author(s)
岸本恭来, 小手川恒, 藤秀樹, 齋藤開, 網塚浩, 本間佳哉, 仲村愛, 李徳新, 本多史憲, 青木大
Organizer
日本物理学会 2016年秋季大会
Place of Presentation
石川県・金沢大学角間キャンパス
Year and Date
2016-09-13 – 2016-09-16
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[Presentation] NMR studies of coexistence of superconductivity and CDW in LaPt2Si22016
Author(s)
T. Aoyama, T. Kubo, H. Matsuno, H. Kotegawa, H.Tou, A. Mitsuda, Y. Nagano, N. Araoka, Y. Wada, Y. Yamada,
Organizer
International Conference on Strongly Correlated Electron Systems
Place of Presentation
Hangzhou, China
Year and Date
2016-05-08 – 2016-05-13
Int'l Joint Research
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[Presentation] Single Crystal NMR Studies of PrT2Al20 Systems (T = Nb, Ta)2016
Author(s)
T. Kubo, R. Miyake, H. Kotegawa, H. Tou, H. Harima, R. Higashinaka, A. Nakama, Y. Aoki, H. Sato, Y. Ihara, T. Goto, T. Sasaki
Organizer
International Conference on Strongly Correlated Electron Systems
Place of Presentation
Hangzhou, China
Year and Date
2016-05-08 – 2016-05-13
Int'l Joint Research
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