2014 Fiscal Year Research-status Report
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26400379
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
長谷 泉 独立行政法人産業技術総合研究所, 電子光技術研究部門, 主任研究員 (00357774)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳澤 孝 独立行政法人産業技術総合研究所, 電子光技術研究部門, 上級主任研究員 (90344217)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 価電子スキップ / 超伝導 / 電荷密度波 / 第一原理計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず研究環境の整備として、第一原理計算ソフトWIEN2kをその計算サーバーとともに導入した。今後、有効クーロン相互作用Uを取り込んだGGA+U計算を進めて行く予定である。 次に計算結果について示す。価電子スキップ揺らぎを起こしやすい物質としてPbSb, InTe, KPbO2などを候補に挙げて来たが、詳細な第一原理計算の結果、価電子スキップ揺らぎの必要条件として、価電子スキップ原子(ターゲット)の価数・陰イオンの分極の大きさ以外に重要な要素があることが判明した。それは、ターゲットのsバンドと陰イオンの準位(主にpバンド)との位置関係である。例として、PbSbにおいては形式価数がPb3+,Sb3-であり、Pbが1種類のサイトしか持たず、かつSbの分極が大きいことから価数スキップ超伝導の候補物質として来たが、第一原理計算によるとPbのsバンドはSbのpバンドよりもエネルギーが低く、従ってsバンドの部分占有による価数スキップが起こりにくい。このことは、価電子スキップ超伝導物質の候補を絞り込む上で重要な知見を与える。また、それと並行して価数スキップ原子を含む超伝導物質探索を行い、新超伝導体(Na,Sr)Bi3を発見した。この系の最高Tcは9.0Kであり、同じくBi系として最近話題になっているLa(O,F)BiS2のTcにほぼ匹敵する。同時にこの系の第一原理計算を行い、ドーピング依存性がMathiass則に従うことを見いだした。これらの研究結果は国際会議、および論文として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した「価数スキップ原子を含む化合物を高圧合成法で作成する」テクニックによって、Tc=9.0Kの新超伝導体(Na,Sr)Bi3が発見されたのは特筆すべき成果である。その他にも有望な物質を発見していて、現在論文執筆中である。また、価電子スキップ揺らぎの必要条件として、価電子スキップ原子ターゲットのsバンドと陰イオンの準位(主にpバンド)との位置関係が重要であることが判明した。今後価電子スキップ超伝導物質の候補を絞り込む上で、この事実は重要な知見を与える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も研究計画に従って推進して行く。引き続き実験家と協力して、新超伝導体の探索を進める。また理論的には、候補物質を絞り込む上で第一原理計算を行ってその知見を活かす。また価数スキップによる電荷密度波が実現していると思われる物質について、LDA+U法でU<0というパラメタを入れた記述が可能かどうかを考察する。さらに、価数スキップ物質では電子格子相互作用も強いと考えられるため、第一原理計算から電子格子相互作用の大きさを評価する。
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Causes of Carryover |
計算機サーバーが予算よりも安く購入できた。また、契約職員の雇用を予定していたが、雇用できない期間があったため残額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
計算機サーバーおよびソフトのアップグレード、契約職員雇用、謝金、旅費等に使用する予定である。
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[Journal Article] Superconductivity at 4.4 K in Ba2Bi32014
Author(s)
A. Iyo, Y. Yanagi, S. Ishida, K. Oka, Y. Yoshida, K. Kihou, C.-H. Lee, H. Kito, N. Takeshita, I. Hase, T. Yanagisawa, T. Kinjo, T. Nishio, H. Eisaki
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Journal Title
SUPERCONDUCTOR SCIENCE & TECHNOLOGY
Volume: 27
Pages: 072001 1-5
DOI
Peer Reviewed
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