2016 Fiscal Year Annual Research Report
Complex networks viewed from risk distribution
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26400388
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
守田 智 静岡大学, 工学部, 教授 (20296750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 仁 静岡大学, 創造科学技術大学院, 教授 (10291957)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 複雑ネットワーク / リスク分散 / 感染症モデル / 進化ゲーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はネットワーク上を分散していくリスクに注目しネットワークの特性を捉え直すことである.主な研究成果は以下のとおりであり,いずれも数値計算のみでなく理論的求まったものである.まず,シンプルな抽象モデルとして生育地がネットワーク状につながっているような害虫を考え変動環境下でどのようにすれば駆除できるかという問題を考えた.これは,その他のリスク分散にも広く応用できるモデルである.研究課題採択前の研究を拡張し,分散が環境に依存するモデルを解析し,短期的に分散を拡大する方策が却って分散を抑制する可能性があることを明らかにした.また環境変動の時空間相関を考え,一般的に時間相関が強いと非一様性が高まり,空間相関が強いと非一様性が弱まることを確かめた.各居住地の個体数が冪分布になっており,非一様性は冪分布の指数で測ることができる.時空間相関を同時に導入したモデルでは,空間相関の原因が個々の場所にある場合と全体の環境にある場合とで結果が異なることが示された.すなわち,全体の環境から来る時間相関は非一様性に影響を及ぼさないという意外な結果が得られた.さらにネットワーク上の感染症モデルを一般化し,従来のモデルとの相違について平均場理論を用いて調べた.ネットワーク上の感染症モデルは既に広く応用されているが,感染過程の詳細に依存して異なる振る舞いをすることを明らかになり,モデル使用者にその注意を喚起できたと思う.ネットワーク上でのゲームが行われるモデルについても解析し,クラスタリング係数が結果に及ぼす影響を明らかにした.2つの戦略が共存する場合,クラスタリング係数が大きくなると多数はがより多数になることを示した.格子のように規則正しいネットワークでも同様の結果が得られることを数値計算で確かめた.
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