2017 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the quantum simulation of the Hubbard model using trapped ions
Project/Area Number |
26400418
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
豊田 健二 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (20314403)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | イオントラップ / 量子情報 / レーザー冷却 / 量子シミュレーション / 量子計算 / 量子エレクトロニクス / ジェインズ・カミングス・ハバード模型 / ハバード模型 |
Outline of Annual Research Achievements |
Jaynes-Cummings-Hubbard(JCH)模型の量子シミュレーションに関して、以下のことを行った。 (1)ポラリトンモット絶縁体―超流動体転移観測に向けた研究:この系では、粒子間相互作用と飛び移り相互作用の兼ね合いによって、モット絶縁体―超流動体転移という特徴的な量子多体現象が起こることが期待される。JCH模型では、特に複合粒子であるポラリトンがこの転移を起こすことが予想され、大きな特色となっている。この転移の検出方法の確立がこれまで課題であったが、今回位相を制御した解析パルスによる新たな分析法を導入し、2サイトの場合に転移の検出を試みた。その結果、ポラリトンモット絶縁体領域、フォノン超流動体領域を区別して検出することに成功し、解析パルスの動作について検証することができた。引き続きこの方法を用いてポラリトン超流動体の検出、ひいてはポラリトン量子相転移の検出を目指す。 (2)原子的モット絶縁体―フォノン的超流動体転移の詳細な分析のための手法の開発:この転移は上記のものより検出が容易であり、既に2-4個のイオンで観測に成功している。今回、内部状態・フォノン状態同時検出という手法を導入することにより、転移の判別に必要な局所励起数分散と呼ばれる量を、任意サイト数に拡張可能な方法でより直接的に評価することを試みた。その結果、2サイトに対して、絶縁体→超流動体の量子相転移において分散が増加する振る舞いが的確に評価できていることを確認した。 また、フォノンを用いたボソン標本化などの量子情報処理にむけては、光子に対する光子数分解検出に対応するフォノン数分解検出を実現することが重要である。これに関して、1サイトの場合に80%程度の効率で個数分解検出を行うことに成功した。また2サイトに関しては、サイト間の相関を検出することに成功し、既存の方法を上回る情報を得ることに成功した。
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