2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a method for the synthesis of endohedral magnetic metallofullerenes using curved surfaces covered with thin films
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26400419
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
本橋 健次 東洋大学, 理工学部, 教授 (50251583)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 貴司 東洋大学, 学際・融合科学研究科, 准教授 (90470343)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | フラーレン / 原子内包 / イオン表面散乱 / 質量分析 / 自己組織化単分子膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
【1.最終年度に実施した研究の成果】 (1)具体的内容:フェロセン終端ドデカンチオール自己組織化単分子膜を内壁に有するガラス平板くさび型チャネルに,C60フラーレン分子イオンを入射し,チャネルを散乱・透過した粒子のその場質量分析を行った。その結果,チャネルを2°チルトさせた場合の質量分布は740~750u程度で最大となることが分かった。このことは,チャネルのチルトにより,C60イオンがチャネル内壁吸着分子と衝突し,表面原子・分子を取り込んで出射したことを表している。さらに,出射した粒子を単結晶基板に堆積した後,誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)したところ,鉄原子の存在を確認した。以上の実験結果から,C60フラーレン分子が平板くさび型チャネルを散乱・透過した際,内壁に吸着している鉄原子を取り込んだ複合粒子として出射したと結論した。 (2)意義と重要性:C60イオンと鉄原子吸着固体表面との衝突により,C60分子と鉄原子が結合したFe-C60複合イオンの存在を確認した。さらに,散乱・透過後の粒子を基板上に堆積し,複合粒子の生成と単離を同時に実現するという本研究の目的の一つを達成した。 【2.研究期間全体を通じて実施した研究の成果】 (1)具体的内容:上記のガラス平板くさび型チャネルに加え,ガラス円筒面チャネルへのC60フラーレン分子イオンの入射実験を行った。散乱・透過粒子のその場質量分析と,単結晶基板に堆積した後のX線光電子分光(XPS)及びICP-MS分析の結果,C60分子と鉄原子が結合したFe-C60複合粒子の存在を確認した。 (2)意義と重要性:原子内包状態の確認には至らなかったが,鉄原子と結合したフラーレン複合粒子を選択的に合成し,かつ,合成と同時に単離を実現した。選択的合成と合成・単離の同時実現は従来法の大きな課題であり,これを実証したことには重要な意義がある。
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Research Products
(11 results)