2014 Fiscal Year Research-status Report
吸着膜相転移をスイッチとして協同的に膜厚転移が起こる泡膜の新しい安定化メカニズム
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26400434
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松原 弘樹 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (00372748)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 泡膜 / 界面吸着膜 / 吸着膜相転移 / 分離圧 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,この申請課題で最も重要な研究装置である薄膜圧バランス測定装置の作成を行った.初めに耐圧容器,ならびにその中に設置する水溶液薄膜を保持するための多孔質ガラスホルダーを設計し,これらを九州大学付属工場で自作した.また,耐圧容器内の圧力を任意に設定できるようにシリンジポンプを作成し,これに薄膜とセル内部の圧力差を測定できるように,高精度差圧計と圧力インジケータを接続して,目的の装置を完成させた.現在は,この装置を使って既に論文で公表されている臭化テトラデシルトリメチルアンモニウム水溶液の薄膜の分離圧を測定し,我々の装置で得られる分離圧の値と比較検討しながら細部の調整を行っているところである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は当初の計画では,研究実績の概要に示した装置の作成に加え,我々が今回の研究の対象としているテトラデカン蒸気存在下での臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム水溶液薄膜の分離圧測定までを行う予定であったが,この研究を進める上で必要となる位相変調エリプソメーターが故障し,その修理と再調整に2カ月程度の時間を要したため,若干の遅れを生じた.ただし,その遅れはそれほど大きくなく27年度に十分取り戻せる程度であること,また,27年度からスタートする予定であった水溶液表面での全反射XAFS測定を前倒しして行い,研究期間全体としては予定通りの成果を上げられるように努めたため,その影響は少ないと判断し,区分(2)の評価とした.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は前年度に間に合わなかった臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム水溶液薄膜の分離圧測定を急ぎ行うと同時に,本来の27年度の研究計画である水溶液表面での全反射XAFS測定を予定通り進める.既に高エネルギー加速器研究機構の27年度のビームタイムを確保しているので研究の遂行には大きな問題は生じないと思われる.
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Causes of Carryover |
当該年度に,本研究の遂行に重要な機器の一つである位相変調型エリプソメーターが故障し,やむなく前倒し支払い請求をして修理を行ったが,その際,機器販売・開発元が外国(ニュージーランド)の企業であったため,為替などの変動によって,支払い額がギリギリまで確定できず,最終的に9024円の余りが生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額は少額であるので,27年度の受け入れ額と合わせ,適切に使用する.
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