2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26400508
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川又 透 東北大学, 電子光理学研究センター, 教育研究支援者 (90638355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有馬 寛 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (60535665)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 非晶質構造の中距離構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
数ナノメータサイズのフェリハイドライト(含水鉄酸化物、Fe2O3•0.5H2O)は、地球表層環境において有害元素の担体として機能する。通常鉱物が持たないこの特性は、数ナノメータレベルの特殊構造(中距離秩序構造)に起因する。本研究プロジェクトは、フェリハイドライトの構造解析に、X線異常散乱(Anomalous X-ray scattering : AXS)および逆モンテカルロシミュレーション(Reverse Monte-Carlo simulation : RMC) を利用した新しい構造解析法 (AXS-RMC法) を導入し、ナノメータレベルの中距離秩序構造とイオン吸着機構の関連性を明らかとすることによって、本鉱物の環境修復機能を積極的に利用する新しい材料素材の開発を目標としている。 本年度、代表研究者らはCNA(Common Neighbor Analysis)とバーナル多面体分割を組み合わせた新規的な非晶質構造の中距離相関解析手法を開発した。この手法を、フェリハイドライトと同様に、ナノメータースケールにおける中距離秩序構造の発達が指摘されている非晶質金属の構造解析に応用した結果、非晶質構造中の化学的不均一性と数密度的不均一性の共存が、特異な中距離秩序の起源となることを見出した。フェリハイドライトの短距離秩序構造の分布(四面体および八面体型配位構造)は、すでに昨年度の研究で評価されていることから、さらに上記手法をフェリハイドライトの構造モデルに適用することにより、新たな非晶質構造の評価指針とすることが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請時に27年度の目標としていた挙げた以下の二点「フェリハイドライトへの有害元素の吸着」、「中距離構造と吸着特性の関連性の解明」に関して、非晶質構造の中距離構造解析に関する進展は見られたが、吸着特性に関する項目の研究が未実施であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の成果によって得られた非晶質の中距離構造解析手法をフェリハイドライト試料に適用する試みを行なうとともに、未実施である有害元素の吸着特性に関する研究を推進する。 吸着実験は、模擬有害元素を含む水溶液中で別途調整したフェリハイドライトを保持することによって調整する計画である。本研究では、地球表層環境への応用を考慮し、ヒ素および鉛の吸着実験を実施する予定である。特に、ヒ素の吸着に関しては、各種鉄化合物と吸着量の関連性に関する先導研究[Tanno et al., Synthesis of Large Porous Particles of Iron Oxide and Their Arsenic Adsorption Characteristics in Aqueous Solution. High Temp. Mater. Process. 30, 305 (2011)]があるので、本研究ではフェリハイドライトの潜晶質度を関数に吸着特性の変化を解明したいと考えている。
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Causes of Carryover |
申請時に、27年度の購入を予定していた消耗品(X線管球:Cu)に交換の必要が生じず、該当物品の購入を行なわなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
テスト翌年度使用額と併せて、主に旅費および実験消耗品購入の物品費として適正に使用する。
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