2015 Fiscal Year Research-status Report
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26400510
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
木村 眞 茨城大学, 理学部, 教授 (20142226)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 隕石 / 衝撃変成作用 / 角礫岩 / コンドライト |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では隕石中の鉱物の特徴を詳細に研究することにより隕石やその構成物質の形成条件を明らかにしていくことを目的とする。 平成27年度は主として角礫岩化した隕石について2つの観点から研究した。まず国立極地研究所に所蔵されている膨大な隕石試料を光学顕微鏡を用いて観察し、角礫岩化作用の特徴を検討し、それに基づく分類体系の検討を行った。従来の角礫岩化した隕石の分類体系については混乱があったが、今回の検討で明確になったと思われる。その研究成果は平成27年7月にインドで開催されたXII International Symposium on Antarctic Earth Science、及び9月の日本鉱物科学会年会で発表した。もう一つの角礫岩隕石に関する研究は日本とベルギーが共同で探査・回収したユニークな隕石に関するものである。この隕石には多種類の岩片が含まれており、それぞれが異なった起源であることが明かになってきた。この隕石に関しては岩石鉱物学的に詳細な分析を行っており、隕石母天体である小惑星の表面、内部構造、衝突作用などを検討中である。 以上に加えてエンスタタイト・コンドライトと呼ばれる隕石から始めて衝撃変成作用によって生じたと思われる高圧鉱物を発見した。これを手がかりにこの隕石を他と比較検討し、小惑星同士の衝突作用に関して新たな知見が得た。この研究成果は論文として現在投稿中である。また、炭素質コンドライト中のコンドルールと呼ばれる構成物質に含まれるいくつかの種類の鉱物をウィスコンシン大学の研究者と共同で研究し、その熱史を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初にあげた研究テーマはエンスタタイト・コンドライトの研究、衝撃変成作用の研究、隕石の分類学であった。これらに関する研究は実績の概要に記したように順調に進行し、成果を論文、学会などで発表している。従って、自己評価としては概ね順調であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は本研究の最終年度であるので、上記の研究をさらにすすめると共に、今まで得られた成果を総括し、国内外の学会で発表する予定でいる。また隕石の角礫岩化作用と分類に関して論文を執筆する予定でいる。
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Causes of Carryover |
発注手続きが遅れて残金が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
消耗品として支出予定。
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