2015 Fiscal Year Research-status Report
走査透過電子顕微鏡法(STEM)による水酸化鉄ナノ鉱物結晶構造モデルの構築
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26400512
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小西 博巳 新潟大学, 自然科学系, 教授 (30705215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤井 純治 新潟大学, 自然科学系, フェロー (30101059)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Siliceous ferrihydrite / Siliceous magnetite / 鉄還元バクテリア |
Outline of Annual Research Achievements |
天然のFerrihydrite、4サンプルを採取して検討した結果、2-line ferrihydriteであり、いずれも、鉄酸化バクテリアであるGallionella またはLeptothrix の活動により沈殿したものであった。2-line ferrihydriteのEDX分析では、Siが数%から~10%含まれ、Siliceous ferrihydriteである。若干の例外を除いて、Siは、4面体サイトに入るので、Ferrihydrite構造中にSi含まれるとすると、Ferrihydriteが4面体サイトをもつという構造モデルが有力な候補となる。そのため、採集した天然のSiliceousな2-line ferrihydrite、サンプルとして入手したSiliceousな6-line ferrihydrit,共沈法により合成したSiliceous 2-line ferrihydrite ferrihydriteを、XRDおよびTEMにより検討した。その結果、”Siliceous ferrihydrite”は、SiO2などSiを含む鉱物とferrihydriteの混合物ではなく、ferrihydrite表面に吸着またはferrihydrite構造中に取り込まれている可能性が強いこと示唆された。さらに、Siliceous ferrihydriteを鉄還元バクテリアに与えると、ナノスケールのSiliceous magnetiteに変わり、Siがmagnetite構造中にとりこまれたことが、magnetite格子定数の変化からわかった。Magnetiteの4面体サイトにSiが取り込まれた可能性が強い。これまでに得られたSTEMでは、8面体サイトにFeが入っていることを示すデータしか得られていないが、Ferrihydriteが4面体サイトを持つという構造モデルを、さらに慎重に検討する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
STEMへのアクセスが限られているが、おおむね順調である。2016年度は、STEM観察データの取得に力を注ぐ。
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Strategy for Future Research Activity |
フェリチンコアのferrihydriteであると考えられているが、STEM観察により、フェリチンコアのFe酸化物の構造を検討し、構造モデルをつくる。
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Research Products
(5 results)