2014 Fiscal Year Research-status Report
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26400520
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Research Institution | The Open University of Japan |
Principal Investigator |
大森 聡一 放送大学, 教養学部, 准教授 (90267469)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ジルコン / 地質温度計 |
Outline of Annual Research Achievements |
ジルコン単粒子から,その起源と生成温度を見積る方法の基礎的研究を行った。多様な起源を持つジルコンの微量元素分析データを収集し,多変量主成分解析を行った。今回の検討に用いたジルコンの起源は,主に,島弧トーナル岩,Sタイプ花こう岩,および海洋底の斜長斑れい岩である。明らかに火成起源と考えられる斜長斑れい岩と,堆積物起源の成分が多いSタイプ花こう岩のジルコンがよく分離できるパラメータを検討した結果,軽希土のLa,Nd, Pr と,Smの比が,有効な判別指標となることがわかった。島弧トーナル岩は,斜長斑れい岩とSタイプ花こう岩の中間に分布する。温度の指標となるTiについては,Ti単体では起源から予想される温度傾向は明瞭でなく,組成依存性の大きさが示唆され,最近用いられているジルコンTi温度計の適用には,注意が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予察的結果は得られているが,学会発表できるレベルに達していない。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,ジルコン化学組成に関する文献情報の拡充に努める。 経験的分配法以外に,温度計適用の前処理として, ツリー分岐法によるバルクTi分類の可能性を検討する。
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Causes of Carryover |
データ整備が遅れたため,研究協力者の実作業時間が想定より短くなり,謝金支払い額が少なくなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実施できなかった依頼作業を次年度に集中して行い,その謝金として使用する。
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