2017 Fiscal Year Annual Research Report
Systematization of the Single Mineral Geothermobarometry
Project/Area Number |
26400520
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Research Institution | The Open University of Japan |
Principal Investigator |
大森 聡一 放送大学, 教養学部, 准教授 (90267469)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 相平衡 / 多変量解析 / 地質温度圧力計 / 化学ポテンシャル |
Outline of Annual Research Achievements |
単鉱物地質温度圧力計の理論体系をまとめた。過去の研究例に見られる同種の地質温度圧力計を,その特性により分類し,熱力学的な解釈を与えた。また,本研究で目指す単粒子による温度圧力の見積りに影響を与える全岩組成について,その取り扱いを熱力学的に明確化した。具体的には,全岩組成は独立成分の化学ポテンシャルに変換可能で有り,複数成分の化学ポテンシャルが天然の岩石形成条 件下で相関関係を持つことにより,地質温度圧力計の方程式の未知変数を減少させ,単粒子地質温度圧力計が成立することを定式化した。 この体系をもとに,変成岩の源岩の全岩化学組成の元素含有量パターンが内包する「元素の含有量の相関」を用いることで,単鉱物でも相平衡に基づく温度圧力の見積りが可能であることが明らかになった。しかし,この方法の適用には,微量元素を含む鉱物化学組成の記載と,信頼できる温度圧力見積りがそろったデータセットが必要である。そこで,単鉱物地質温度圧力計の理論を実際の鉱物に適用するために,鉱物の生成温度圧力とその化学組成(微量元素を含む)のデータセットを収集した。また,このデータセットを解析するための,データ処理プログラムを作成した。データ処理プログラムは,多変量解析型とランダムフォレスト法による自己学習型の二つを検討した。現状でMATLAB環境で多変量解析型が実行可能となっている。 以上の成果を,国際シンポジウム“Metamorphic rocks and metamorphism: Future Perspectives” にて発表した。
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