2016 Fiscal Year Annual Research Report
Activation mechanism of positive hole carriers induced by shear strain of igneous rocks
Project/Area Number |
26400521
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹内 昭洋 東京大学, 地震研究所, 技術職員 (00468117)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 熱起電力 / 正孔電荷キャリア / 火成岩 / 剪断ひずみ |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、はんれい岩のブロック試料(サイズ:25mm x 30mm x 75mm)中央部を一軸圧縮した(剪断ひずみを与えた)際の熱起電力変化を検出するための実験を行なった。リード線の外来電気ノイズ対策や試料の湿気対策などを講じ、熱起電力信号の擾乱を抑えることができるようになった。一軸圧縮の前後で中央圧縮部の熱起電力に変化のあることは確認できたが、プレスそのものから伝わってくると思われるオフセットノイズを巧く減らすことができず、熱起電力及びゼーベック係数(数100μV/℃程度)の定量的な変化を検出するには至らなかった。 そこで次は、はんれい岩のスライス試料(サイズ:25mm x 25mm x 5mm)全体を一軸圧縮した(剪断ひずみを与えた)際の電気抵抗率変化を検出するための実験を行なった。スライス中央部を10V励起し、スライス内部を通って流れる微小電流を検出した。この際にガードリング電極をスライス側面に付けることにより、表面を伝って漏れる電流の効果を削除した。10kN程度の一軸圧縮でも、電気抵抗率が半分程度にまで下がった場合もあった。もし、この変化を正孔電荷キャリアの濃度変化だけに押し付けるならば、約2倍に増えたことになる。この結果は、これまで行なってきた岩石実験から得られた結果と定性的には調和的である。 有限要素法ソフトウェア(ANSYS)を用いて、はんれい岩のブロック試料(サイズ:25mm x 30mm x 75mm)中央部をペルチェ素子により加熱した際のゼーベック効果による発生電位の3次元分布をシミュレーションした。セットアップの対称性を考慮して全体の4分の1のみを解析した。
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