2017 Fiscal Year Annual Research Report
Spectroscopic study on photo-reaction of active oxygen comlex
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26410006
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
渋谷 一彦 東京農工大学, 大学院生物システム応用科学府, 客員教授 (30126320)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 活性酸素 / 一重項酸素 / 衝突錯体形成 / 二電子同時遷移 / 可視紫外分光 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度に-195~+40℃で温度制御が可能な分光測定装置を製作し、翌年度から液体酸素の吸収スペクトルの測定を始めた。液中で遭遇した分子ペアを光励起し、励起分子ペアを生成する衝突誘起光吸収(CIA)の二電子遷移で活性酸素を同時に二分子生成させた。200-800nmで観測される酸素の衝突錯体によるCIA吸収帯を研究対象とした。酸素のみの液体(-186℃)のCIA光吸収スペクトル中の12本のブロードなCIA吸収バンド(半値全幅 4~11nm)の線形解析を行い、それらのピーク波長での光吸収断面積(σ)を決定した。気体酸素で得られたCIA光吸収のσ値と一致し、気相での二体衝突ペアに起こるCIA光吸収も、多数の溶媒分子と接触する液体酸素中でのCIA光吸収も、次の解析式で定量解析できた。 CIA光吸収での吸光度=(CIA光吸収断面積σ)×(酸素分子の数密度の二乗)×(光路長) 気液両相の3桁異なる数密度範囲で、単一の上記解析式と各ピーク波長で共通したσ値を用いて任意数密度での光吸収強度が見積れた。本液相実験で決定された577および630nmにおけるσ値(単位:×10-46 cm5 molecule-2)を例に示すと、それぞれ(9.4±0.5)および(6.9±0.4)であった。対応する気相の研究(論文6報の平均値)から得られたσ値は、それぞれ(11.5±1.5)および(7.3±0.6)であり、気液両相での測定から導かれたσ値は一致した。さらにアルゴン溶媒で希釈された液体酸素のσ値も一致した。酸素分子ペアの周囲に他分子が連続的に存在する液相CIA光吸収と、酸素分子ペアの周囲が真空に近い気相CIA光吸収が酸素分子の数密度だけに依存して統一的に解析できることを立証した。今後は、本研究期間内に成果を出せなかったキセノンを溶媒とした実験を実施する。キセノンは一重項酸素と相互作用が強い貴ガスである。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Reassessing the atmospheric oxidation mechanism of toluene2017
Author(s)
Y. Ji, J. Zhao, H. Terazono, K. Misawa, N. P. Levitt, Y. Li, Y. Lin, J. Peng, Y. Wang, L. Duan, B. Pan, F. Zhang, X. Feng, T. An, W. Marrero-Ortiz, J. Secrest, A. L. Zhang, K. Shibuya, M. J. Molina and R. Zhang
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Journal Title
PNAS (Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America)
Volume: 114
Pages: 8169-8174
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research