2015 Fiscal Year Research-status Report
高輝度放射光利用表面X線散乱法による非水溶液系固/液界面のその場構造ダイナミクス
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26410008
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
近藤 敏啓 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (70240629)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 表面・界面物性 / X線 / 電極触媒 / 非水溶液 / 電池 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.カーボネート系溶媒中で作製したLiSi合金相は、Si(111)上、Si(100)上ともに、4層構造となっており、基板側からc-Si中にLi原子が拡散している相、アモルファス合金(a-Li15Si4 and/or a-Li13Si4)とc-SiがX:Yの比で混ざった混合相、a-Li15Si4 または a-Li13Si4のアモルファス合金相、単結晶Li15Si4合金(sc-Li15Si4)相となっていることを立証した。 2.カーボネート系溶媒(電解質はLiPF6)中において、Si(111)およびSi(100)単結晶基板へのLiイオンの挿入/脱離機構を明らかとし、最初のLi挿入によって形成した合金相からLiが脱離するとa-Si相となり一部がはがれてしまうこと、およびその後の再挿入/脱離によっても、c-Si相は復活せず、繰り返しによってa-Li15Si4合金相が剥がれていってしまうことがわかった。また、合金相あるいはLi原子が混ざった相は剥がれることなく、LixSiy合金あるいはLi原子混合相形成/アモルファスSi相形成が再現性よく繰り返されることがわかった。 3.エーテル系溶媒(電解質はLiPF6)中における、Si(111)単結晶基板へのLiイオン挿入/脱離過程の追跡を行い、カーボネート系溶媒中とは異なり、sc-Li15Si4相はほとんど形成されずにすべてa-Li15Si4として形成することがわかった。 4. Li負極の充放電サイクル特性のEQCM測定により、初期のSEI層の形成のさせかたで、その後のクーロン効率/質量効率に著しい差が出ることがわかった。 5.カーボネート系溶媒中では不均一なSEI層が形成されるのに対し、グライム系溶媒中では比較的均一なSEI層が形成されることからクーロン効率が高いことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度構築した非水溶液系SXSその場測定用電気化学セルを用い、カーボネート系溶媒中のSi(111)およびSi(100)単結晶基板へのリチウム挿入/脱離過程をほぼ解明した。また、EQCMその場測定により、銅電極上へのリチウム電析/溶解反応について、初期SEIの形成のしかたでその後の反応サイクルに影響があることがわかった。
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Strategy for Future Research Activity |
1.グライム系溶媒中にシリコン負極反応の解明 2.リチウム電析/溶解反応とSEIとの関係の定量的評価
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