2016 Fiscal Year Annual Research Report
Synthesis and evaluation of single-particle catalyst produced from liquid droplets by use of tandem-trap apparatus
Project/Area Number |
26410024
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
河野 淳也 学習院大学, 理学部, 教授 (90557753)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 単一粒子触媒 / イオントラップ / 液滴 / サーモグラフィー / ラマン分光法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,安価で入手の容易な物質を組み合わせて高性能触媒を作り出すことである。このため,多成分の金属を含む酸化物担持触媒の単一粒子の合成と反応性評価を,触媒組成を変化させながら行う。具体的には,混合トラップ,反応トラップからなるタンデムイオントラップ装置を開発し,混合トラップで液滴混合によって単一粒子触媒を合成し,反応トラップに搬送した後に反応気体下の加熱と温度測定を行う。 平成28年度は,反応トラップ内でのCO2レーザー加熱焼成による粒子合成,塩化金酸・塩化チタン水溶液からの金担持触媒単一粒子の合成,単一粒子触媒によるCO酸化反応のサーモグラフィーカメラによる観測を行った。反応トラップ内でのレーザー加熱焼成による粒子合成は,粒子のラマンスペクトルを観測することによって確認した。確認のため,炭酸水素カリウムからの炭酸カリウムの合成を行った。その結果,焼成の進行をラマンスペクトルの変化として観測できた。この技術を応用し,金担持触媒の単一微粒子を合成した。塩化金酸,4塩化チタンの混合水溶液を液滴としてトラップした。この液滴にCO2レーザーを照射し,金担持触媒単一微粒子を合成した。ラマンスペクトルは4塩化チタンのブロードなスペクトルから4つの鋭いピークをもつ酸化チタンのスペクトルへと変化し,酸化チタンの生成を確認した。反応トラップにCOとO2の混合気体または窒素を導入し,触媒微粒子へのCO2レーザー照射による温度変化をサーモグラフィーカメラにより観測した。その結果,COとO2の混合気体の中では窒素下よりも高温になっていた。これは,COの酸化反応による反応熱によって触媒微粒子が加熱されたことによると考えられる。本研究により,静電トラップを利用して単一粒子触媒を合成し,その反応性を短時間に観測する技術が完成した。この技術によって触媒開発のリードタイムの減少が期待できる。
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