2015 Fiscal Year Research-status Report
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26410041
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
塚本 眞幸 名古屋大学, 情報科学研究科, 講師 (10362295)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | グリコシル化反応 / アゾール |
Outline of Annual Research Achievements |
N-グリコシル化反応の触媒を探索するために、これまでに種々のアゾールと強酸から酸アゾール複合体を調製してきた。その結果、吸湿性がなく、かつ、高い活性を示す複合体として、酸オキサゾール複合体を見出すことに成功した。本反応の欠点を敢えて挙げるとするならば、反応後のオキサゾールの除去が必要なことである。多くの場合、再結晶やカラムクロマトグラフィーなどの精製により、容易に除くことができるが、さらに汎用性を高めるために、オキサゾールを固相担持した複合体を調製することとした。これにより、オキサゾールの回収が容易になり、精製操作が大幅に簡略化できることが期待される。 実施計画にしたがい、2種類の方法を試みた。まず、末端にヒドロキシ基を有する既存の固相担体に、適切な官能基を有するオキサゾールを担持させた後、酸で処理をした。しかし、目的とする固相担持触媒を得ることはできなかった。そこで次に、別の方法を試みた。すなわち、重合に必要な官能基を導入したオキサゾールを合成し、適切な開始剤を用いて対応する重合体を得た。これを酸で処理することにより、目的物を得た。酸の担持量は、およそ2.6 mmol/gと算出された。これを、N-グリコシル化反応の触媒に用いたところ、既存のルイス酸よりも活性が高いことがわかった。溶液に可溶な従来型の複合体よりも活性はやや落ちるが、実用上は問題のない範囲であった。生成物であるピリミジンヌクレオシドも高い収率で得られた。反応後、固相触媒は反応混合物から直ちに除去でき、精製操作が簡略化できた。グラムスケールの反応も実施可能であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画調書に記載した通り固相担持した触媒を調製することに成功し、この触媒がN-グリコシル化反応に対して高い活性があることが明らかとなったため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、今回調製できた触媒も含めて応用範囲の拡大を目指す。
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Causes of Carryover |
日頃から本研究費の有効な使用を心掛けたため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
試薬や溶媒などに適切に使用し、研究計画調書にしたがって、研究をさらに展開する。
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