2015 Fiscal Year Research-status Report
光触媒水素発生反応を組み合わせた完全バイオマスリフォーミングの構築
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26410055
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
保田 昌秀 宮崎大学, 工学部, 教授 (00174516)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | グルコース / 糖類 / 水素引き抜き反応 / 限界量子収率 / 水素発生 / 酸化チタン / バイオマス |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、立体配座の異なる糖類を犠牲剤とする光触媒水素発生反応について、水素発生効率の比較検討を行った。11種類の糖について、糖濃度に対する量子収率の両逆数プロットを行い、その切片から限界量子収率を、切片と傾きの比(I/S)から、ヒドロキシラジカルによる水素引き抜き反応速度を見積もった。その結果、グルコースのI/S値はマンノースからのそれに比較して、13倍速いことが分かった。グルコースと立体配座の異なる糖類であるマンノースおよびガラクトースなどとの比較から、ヒドロキシラジカルによる水素引き抜きはC2炭素で起こっていることが推察された。また、糖類の限界量子収率は、メタノールおよびエタノールの値と同程度であることが分かった。これらのことから、バイマスから得られたグルコースを酸化チタン光触媒による水素変換は、量子収率および反応速度の観点から、優れたバイオマスリフォーミング方法であることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
リグノセルロースを主とするバイオマスの酵素糖化とそれで生成する糖類を犠牲剤として用いる光触媒水素反応を組み合わせたバイオマスリフォーミングについて検討を行っている。今回、糖類の構造と水素発生効率の関係を明らかにできた。当初計画にはなかった事柄であるので、計画以上に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
リグノセルロース類のバイオマスリフォーミングについては完了したので、藻類および食品製造廃棄物を原料とするバイオマスリフォーミングについて検討を行い、光触媒水素生成のバイマスリフォーミングへの活用の可能性を明らかにする。
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Research Products
(3 results)