2014 Fiscal Year Research-status Report
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26410067
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
古舘 英樹 金沢大学, 物質化学系, 准教授 (40332663)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 二核鉄(III)ペルオキソ錯体 / 高原子価オキソ種 / 酸化反応性 / 酸素ー酸素活性化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度取り組んだ研究は下記の通りである。 1) プロパンジアミン骨格を有する二核化配位子 (Me4-tpdp,Ph4-tidp) のトリフェニル酢酸架橋の二核鉄(III)ペルオキソ錯体の酸化反応性の検討を行った.Me4-tpdpのペルオキソ錯体は,78 ~ 92 kcal mol-1 の BDE を持つ 9,10-DHA,fluorene,tetralin,tolueneなどの様々な外部基質に対して酸化能を持つことが明らかとなった。一方,Ph4-tidpのペルオキソ錯体は,上記の外部基質と反応しなかったが,ベンジルアルコールを酸化することがわかった。このことは,二核化配位子のサイドアームの変化により,ペルオキソ錯体の酸化反応性が制御できることを示唆しており,これについて今後明らかにする計画である。 2) ヒドロキソおよびオキソ架橋を含む二核鉄(III)ペルオキソ錯体の外部基質に対する酸化反応性の検討を行った.トルエンやDHAなどの外部基質と反応しなかったが,PPh3やbenzyl alcohol との反応性を示すことがわかった.速度論的研究により,これらの酸化反応の律速段階は,ペルオキソ基のO-O結合の開裂を含んでおり,これにより生成する高原子価オキソ種が,反応活性種であることが示唆された.また,ペルオキソ基のO-O結合は,ヒドロキソ架橋のペルオキソ錯体よりも脱プロトン化したオキソ架橋のペルオキソ錯体の方が,約100倍切れ易く,架橋基の違いによりO-O結合の活性化を制御できることがわかった. 3) 単核鉄(III)過炭酸錯体の酸化反応性の検討を行った.その結果,酸化反応性は低いが,cyclooctene に対するエポキシ化や cis-ジオール化の選択性を CO2 の濃度や水などの反応条件によりコントロールできることがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
様々なコア構造を有する二核鉄ペルオキソ錯体の合成と酸化反応性の検討に成功しているが,酸化反応性の速度論的研究では-70℃での実験など困難な実験が多く,データの完成度が不満足であり論文の作成が遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在酸化反応性が明らかとなっているペルオキソ錯体の酸化反応メカニズムのさらなる解明のため,同位体ラベル実験や速度論的研究を行う予定である。さらに二核化配位子を有するペルオキソ錯体の結晶化と構造解析も検討する。また,サイドアームの種類の異なる二核化配位子とそのペルオキソ錯体の新規合成も試みる予定である。
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[Journal Article] Oxidation Reactivity of a Structurally and Spectroscopically Well-Defined Mononuclear Peroxocarbonato-Iron(III) Complex2015
Author(s)
T. Tsugawa, H. Furutachi, M. Marunaka, T. Endo, K. Hashimoto, S. Fujinami, S. Akine, Y. Sakata, S. Nagatomo, T. Tosha, T. Nomura, T. Kitagawa, T. Ogura, and M. Suzuki
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Journal Title
Chem. Lett.
Volume: 44
Pages: 330-332
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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