2016 Fiscal Year Annual Research Report
New functional creaction of supramolecular complexes organized between nano-gap metal electrodes
Project/Area Number |
26410070
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
塩塚 理仁 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70293743)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 超分子金属錯体 / ルテニウム錯体 / 金属ナノ粒子 / 自己組織化 / 表面増強ラマン / 複合構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の最終目的は「金属電極間に組織化された超分子金属錯体の新機能創成」を実現することである。そこで、平成28年度はナノギャップ金電極に超分子金属錯体を導入する前段階として、我々が先に合成したビスチオフェノールエチニルフェナントロリン配位子を有するルテニウム(II)錯体を用いて、2ナノメートル程度のナノギャップ金電極間に自己組織的に配列する方法で架橋されたルテニウム(II)錯体分子導線の作製を行い、ルテニウム(II)錯体による架橋構造が存在する証拠や金電極と錯体分子との電子的相互作用について超微弱な電流を計測できる電流電圧測定を中心に研究を行った。特に、ルテニウム錯体という小さな分子一つを架橋できる非常に狭いギャップ電極を用いることで分子デバイスの配列構造を自己組織的に形成できるのかどうかに関する情報を得るために表面増強ラマン散乱を利用した顕微ラマン測定と電流電圧特性の評価を学内外の物性研究グループと協力して進めた。 また、先の研究と並行して、ルテニウム錯体の自己組織化単分子膜を金基板上に緻密に配列した構造が形成できることから次の研究テーマを発想した。それは、直径10ナノメートルサイズの銀ナノ粒子や金ナノ粒子とルテニウム錯体との複合構造体の作製及びその構造を表面増強ラマンスペクトルの強度変化として観測することである。更に、金基板上に配列したルテニウム錯体と金属ナノ粒子を接合させる三層構造体作製実験へと展開させた。これらの研究結果より、本研究で想定した超分子金属錯体の光応答電子デバイスとしての可能性に関して重要な知見が得られた。今後も超分子金属錯体-金属ナノ粒子による複合構造体を用いた光電子ナノ回路に関して研究を続ける予定であり、次世代ナノフォトニクス分野への展開を目指す。
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Research Products
(7 results)