2016 Fiscal Year Annual Research Report
Formations of banana LC phase and developments of FLC display for acute-angle bent-core mesogens
Project/Area Number |
26410086
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
姜 聲敏 東京工業大学, 物質理工学院, 助教 (00523664)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 液晶 / ディスプレイ / 強誘電性 / 相構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は強誘電ディスプレイ応用の新しいモードとして提案した①極性SmA相および②カラムナー相・キュービック相の特性評価および相温度領域の低温化と設定し推進した。 1,7-ナフタレンコアを使った分子系においては、強誘電スイッチングを示すカラムナー相ーキュービック相の相構造を分光学的視点からも詳しく調べるため固体NMR測定を行い、それぞれの相構造の詳細を明らかにした。2次元の周期構造を有するカラムナー相においては分子の両末端がカラムの内外の両側に向いていることが示唆された。一方、3次元周期構造を有するキュービック相においては、グロビュール状の分子集合体を形成し、大きく分け、2種類の分子収納の形式が存在することが示唆された。すなわち、カラムナー相同様、分子の両末端をグロビュールの両側(内・外)に向けた形式に加え、両末端をグロビュールの外に向けた形式の分子収納も示唆された。これらの結果は、カラムナー相やキュービック相の相構造の詳細を与える情報としてスイッチング応用へ大いに役立つ知見である。 さらに、液晶温度領域の低温化設計も大きな進歩が見られた。まず、1,2-フェニレンコアにアセチレン基を有するバナナ型分子を基盤に両サイドウィング部に塩素置換基を導入する分子設計を行い、極性スイッチング相のB2相の温度領域を100℃付近まで低下させることができた。さらには、異なる分子系としては1,7-ナフタレンコアを有する誘導体(2置換・1置換体)の分子設計を行い、カラムナー相・キュービック相の温度領域をこれまでに比べ約100℃以上低温化させることまで成功した。実用的応用のためにはさらなる低温化が必要であるが、今後の進展につなげられる大きな設計指針を得た。当該分子系の開発ではさらに興味深いネマチック相の形成を確認し、その詳細構造を調べ報告するに至り、ネマチック液晶のさらなる可能性としても期待できる。
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