2016 Fiscal Year Annual Research Report
Novel physical properties of quasi-two dimensional layered compounds
Project/Area Number |
26410089
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
道岡 千城 京都大学, 理学研究科, 助教 (70378595)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 化合物磁性 / 積層化合物 / 三角格子反強磁性体 / スピンフラストレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
新たな複合積層化合物の発展と機能性材料の開拓を目指し,いくつかの物質系について物性研究,および新規物質探索を行った. 前年度,物質開拓として三角格子クラスター磁性体,Li2AMo3O8 (A=In,Sc)の物性を明らかにしたことを発展させ,新たにNa3A2(MoO4)2Mo3O8 (A=In, Sc)の物性について明らかにした.この物質の前駆体Na2A2(MoO4)2Mo3O8 (A=In, Sc)はLi2AMo3O8 (A=In,Sc)と同様にMo3O8がクラスターを形成し,それらが三角格子上に並んでいる.しかし前駆体は不対電子を持たないことから強い磁性を持たないが,本研究では前駆体Na2A2(MoO4)2Mo3O8 (A=In, Sc)のナトリウム欠損をソフト化学的な手法で補完し,Na3A2(MoO4)2Mo3O8 (A=In, Sc)を合成し,Mo3O8にスピン1/2を持たせることに成功した。またこれらの物質は有限の反強磁性相互作用をもちながら0.5Kの低温まで磁気秩序しないことを明らかにした.このことは三角格子のスピンフラストレーションによるスピン液体状態を基底状態に持つことを示唆していて,本研究の目的である,積層化合物による新たな物性の発現の実現をみた. また本研究において継続的に研究を行っているSrCo2P2とその周辺物質ついて遍歴強磁性量子臨界点近傍の物性を明らかにした.以前の研究でSrCo2P2における強磁場磁化過程から60 Tでメタ磁性転移を発見している.今回,NMRを用いて遍歴磁性強磁性体LaCo2P2のスピンダイナミクスを明らかにした.またSr1-xCaxCo2P2 系固溶体のNMR研究を行っており,異方的なスピン揺らぎがメタ磁性転移と強く関わっていることが明らかになった.
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] R/T/X(R= 希土類金属; T= Co, Ni, Rh, Pd, Ir, Pt; X= Al, Si, Ga, Ge, In, Sn)三元系化合物の新規物性探索2017
Author(s)
山田真二, 道岡千城, 植田浩明, 吉村一良
Organizer
日本物理学会 第72回年次大会
Place of Presentation
大阪大学
Year and Date
2017-03-17 – 2017-03-20