2014 Fiscal Year Research-status Report
N-Heteroaceneを基盤とした有機および有機無機機能生材料の創出
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26410099
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
磯田 恭佑 東京理科大学, 理学部, 助教 (20568620)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | N-Heteroacene / 超分子化学 / 液晶材料 / 電子アクセプター / 有機無機機能性材料 / n型半導体 |
Outline of Annual Research Achievements |
N-Heteroaceneによる有機および有機無機複合材料の創製を目的とする。本申請では、我々が開発した電子アクセプター型π共役分子Tetraazanaphthacene (TANC, Isoda et al., Chem. Lett. 2012. 41, 937.) を基本骨格に用いて、①問題解決型および②新規材料創出型研究を提案する。①液晶性電子輸送型(n型)半導体の創製とその配向制御によるFET特性発現は薄膜材料により、②クラウンエーテル置換型単一分子性導体の創出は単結晶を用いて電子伝導機構の解明を行う。N-Heteroacene誘導体の研究は、近年国外で盛んになりつつある。国内では我々が先駆けて分子性導体や自己組織化材料の構築を報告しているため高い独創性を有する。また、提案したコンセプトはN-Heteroacene以外にも適応可能なため、新規材料創製の発展に貢献できると自負している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
N-Heteroacene誘導体を用いた液晶材料において、n型特性を有する薄膜材料の構築が行えたことで国際学会や国内学会での英語の発表や招待講演を行うことができた。さらに、学術論文においても報告ができた。今後は、さらに優れた特性を有するN-Heteroacene誘導体の開発を行なっていく予定である。 分子性導体においては、N-Heteroacene骨格からなる新たな有機ラジカルアニオンの創製を行ってきた。得られた結晶の構造上、本来の目的物質および物性には結びついていないが、新奇な構造体の発見を導くことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
N-Heteroacene誘導体を用いた液晶材料においては、今後置換基や骨格をかえることで更なる機能の向上を目指す予定である。具体的には電子アクセプター性を有するシアノ基やハロゲン系の置換基導入を考えている。さらに、π共役骨格の拡張なども目指していく。 分子性導体に関しては、これまで骨格縛りがあったため研究があまり進展しなかったが、今後は抜本的にπ共役部位を変更していく予定である。当研究室では独自にクラウンエーテル部位を有するジアミンの合成に成功しているため、それをメインパーツとすることで様々なN-Heteroacene誘導体を構築していく予定である。
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Research Products
(8 results)