2016 Fiscal Year Annual Research Report
Synthesis of non-biaryl compounds with axial chirality and their application to asymmetric reactions
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26410109
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
三野 孝 千葉大学, 大学院工学研究科, 准教授 (40302533)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | キラル化合物 / 軸不斉 / アミノホスフィン / 不斉配位子 / 触媒的不斉反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、前年度見出した2-アダマンタンアミンから誘導した軸不斉を持つ光学活性化合物を不斉配位子として用いたインドールを求核剤とするパラジウム触媒による不斉アリル位アルキル化反応において反応条件の最適化を行った。その結果、塩基として炭酸カリウム、溶媒としてベンゾトリフルオライドを用いた場合、93% eeで生成物が得られることが明らかとなった。またキラルHPLCによる分析においてラセミ化が進行していると考えられたOMe基を有する化合物について、そのHPLC分析における、ピークの波形からヘキサン中25℃において半減期は約4時間であることが明らかとなり、光学分割は困難であることを明らかにした。 また、前年度見出した1-アミノ-3,5-ジメチルアダマンタンから誘導した軸不斉を持つ化合物のキラルHPLCによる光学分割の検討を行った。その結果、両エナンチオマーを光学活性体として得ることができた。さらに不斉配位子としての有効性を調査したところ、マロン酸ジメチルを求核剤とするパラジウム触媒による不斉アリル位アルキル化反応において62% eeで生成物が得られることが明らかとなった。また、求核剤としてインドールを用いた場合には90% eeで生成物が得られることが明らかとなった。 以上、本研究において、t-ブチル基を有する軸不斉化合物、1-アダマンタンアミンから誘導したシンナミル基を有する軸不斉化合物及びその誘導体、さらに2-アダマンタンアミンから誘導したシンナミル基を有する軸不斉化合物が、いずれもパラジウム触媒による不斉アリル位アルキル化反応において不斉配位子として有効に作用することが明らかとなった。特にシンナミル基の存在は、生成物の絶対構造を決定する重要な因子となっていることを明らかにした。
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Research Products
(8 results)