2017 Fiscal Year Annual Research Report
Exploration of allylic substitution as a method to create chiral C-C bond and its application in organic synthesis
Project/Area Number |
26410111
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小林 雄一 東京工業大学, 生命理工学院, 教授 (90153650)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アリル化反応 / ピコリン酸 / 第四級炭素 / ベラパミル / LY426965 / キラルHPLC |
Outline of Annual Research Achievements |
有機マグネシウム試薬とCuBrから調製した有機銅試薬は gem-二置換オレフィンから成るアリルピコリン酸エステルと選択的に anti-SN2' 反応し,第四級炭素を与えた (前年度までの成果)。平成29年度ではこの反応を活用して,第四級炭素を含む生理活性化合物の合成を行なった。抗不整脈作用のあるverapamilの合成では,i-Pr基のを含む第二級プロパルギルアルコールの立体選択的かつ位置選択的ヨウ素化反応とCH2=CHCH2MgBrとのカップリンク反応を行い,ピコリン酸エステル中間体を合成した。このエステルと3,4-(MeO)2C6H3MgBr/Cu(acac)2 (2:1) 試薬との反応では近傍のi-Pr基の影響で反応は遅くなったが SN2' 反応は選択的に進行した(論文発表済)。同様の合成法を用いて,抗うつ作用のあるLY426965の合成を行った(論文発表済)。 アリルピコリン酸エステルの ant SN2'反応ではRMgBr/Cu saltから成る有機銅試薬が高選択的に反応した。Et2ZnやBuLiとCuBrから調製した有機銅試薬をZnI2 やMgBr2存在下で行い,中村らが提唱しているアリル化反応の遷移状態モデルに当てはめた(論文執筆中)。 ピコリン酸基は高極性の芳香環である事から,chiral HPLCに用いるエステルとしての可能性を探った。その結果,いくつかの第二級アルコール誘導体は安息香酸エステルよりも高い分解能を示した。 活性化されてない第二級アルコール R1CH(OH)R2 (R1 = alkyl, R2 = alkyl) の水酸基をピコリン酸基をヒントにした脱離基に変えて反応性の低いMe銅試薬との反応を検討している。結果が出始めたところである。
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Research Products
(4 results)