2016 Fiscal Year Annual Research Report
Developments of the absolute asymmetric synthesis of optically active derivatives of amino acids with the dynamic preferential crystallization
Project/Area Number |
26410124
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
笠嶋 義夫 千葉工業大学, 創造工学部, 教授 (70272341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 昌巳 千葉大学, 大学院工学研究科, 教授 (00178576)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 不斉合成 / 不斉増幅現象 / 絶対不斉合成 / 有機結晶 |
Outline of Annual Research Achievements |
アキラルな基質から光異性化を伴う光学活性ピロリジノンの創製と不斉増幅:アロイルアクリルアミドに溶液中で光照射することにより,E,Z-異性化,分子内環化反応,動的結晶化が連続して進行するにより不斉中心を有するピロリノンの絶対不斉合成に成功した。鎖状のアキラルなアロイルアクリルアミドは対応するカルボン酸から容易に合成できるため,多くの基質を合成し,コングロメレート結晶を探索した。コングロメレート結晶を与える誘導体の前駆体への光照射により効率良くE,Z-異性化と環化反応が進行し,不斉中心を有するピロリノンが定量的に得られることを見出した。ピロリノンは触媒量の酸や塩基の存在下でシス型の開環体を経由して効率よくラセミ化することも確認し,ラセミ化速度を測定したところ,塩基存在下では十分に早いラセミ化により動的優先晶出法に適応できることを確認した。 アキラルなトランスアクリルアミドを溶液中で光照射し,溶媒を徐々に留去して生成するピロリノンの結晶化を促した。定量的に得られた結晶の光学純度を測定すると99.9%であった。外的不斉源を用いることなく,アキラルな基質に光照射をして結晶化させるだけで,定量的かつ完全な光学活性体を得ることに成功した。この反応は太陽光照射でも進行し,徐々に溶媒を自然に蒸発させることで,光学活性体の結晶が得られてきた。外的不斉源を用いずに太陽光を用いた不斉発現を達成した。 以上のように、結晶の優れた特性を活用した不斉発現・増幅反応を展開し,前例のない新しい手法による斬新な研究成果を国内外に広く発信した。
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[Presentation] 動的優先晶出法を用いた不斉合成法の開発2016
Author(s)
上村直弘, 白附洸, 笠嶋義夫, 吉田泰志, 三野孝, 坂本昌巳
Organizer
第60回 香料・テルペンおよび精油化学に関する討論会
Place of Presentation
東京農業大学オホーツクキャンパス(北海道網走市)
Year and Date
2016-10-29 – 2016-11-01
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