2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26410125
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
齋藤 慎一 東京理科大学, 理学部, 教授 (80283076)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ロタキサン / カップリング反応 / 動的挙動 / CDスペクトル |
Outline of Annual Research Achievements |
合計3つ以上の環構造、あるいは軸構造からなるロタキサン、すなわち高次ロタキサンは合成例が少なく、とりわけ1つの環コンポーネントと2つの軸コンポーネントからなる[3]ロタキサンに関しては2006年にようやく初の合成例が報告されている。 そこで本研究では申請者らが開発したロタキサン合成法を活用することにより、3つのコンポーネントからなるインターロック化合物を合成した。例えば、1つの環と2つの軸から成る化合物([3]ロタキサン)や1つの軸と2つの環からなる化合物(ロタカテナン)の合成に成功した。ロタカテナンに関してはその構成成分の配列を合成化学的に制御することにより配列異性体を選択的、かつ効率的に合成することにも成功した。 また、環構造にキラル中心を導入した後にロタキサンへと変換することによりキラルロタキサンを合成した。また、合成したキラルロタキサンのCDスペクトルを解析することによりCDシグナルがロタキサンの様々な部位で誘起されていることを明らかにした。 さらに、[2]ロタキサンの軸コンポーネントに対して分子の「仕切り」を導入する手法を開発した。本手法を用いて様々な構造の分子仕切りを導入した[2]ロタキサンを合成し、その動的挙動についてもNMRスペクトルを用い、詳細な検討を行った。その結果、分子仕切りを導入した[2]ロタキサンに関して、その構造と動的挙動の関係について定量的に解析を行うことに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ヘテロ[3]ロタキサン、ならびにロタカテナンの合成を達成し、さらに配列選択的なロタカテナンの合成まで行うことができた。またキラルインターロック化合物の合成にも成功した。以上合成した各種インターロック化合物の物性に関しても様々な知見を得ることができたため、当初の計画よりも順調に研究が進展しているものと考えた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き高次インターロック化合物の合成、ならびに物性の解明について活発に研究をすすめていきたい。とりわけキラルインターロック化合物の合成、ならびに新規環状骨格を有するロタキサンの合成を進め、物性面に関する新しい知見を見いだしてゆく予定である。
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Causes of Carryover |
予算額よりも安価に購入した物品があった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
予算算定時より値上がりした物品の購入に充当する。
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