2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of New Methods for the Synthesis of Complex Interlocked Compounds
Project/Area Number |
26410125
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
齋藤 慎一 東京理科大学, 理学部第一部化学科, 教授 (80283076)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | インターロック化合物 / 触媒反応 / 動的挙動 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)高次ロタキサン、ロタカテナンの合成を達成した。研究代表者らが開発した合成酒法を活用することにより、2つの環コンポーネントと2つの軸コンポーネントからなる[3]ロタキサンを効率よく合成することに成功した。さらに研究を展開し、2つの組み合わさった環コンポーネント([2]カテナン)に対し、さらに軸コンポーネントが貫通した構造を持つインターロック化合物、すなわちロタカテナンを合成した。また、環コンポーネントの配列を入れ替えたロタカテナン異性体を選択的に合成できることも明らかにし、その物性についても比較した。 (2)新規大環状化合物の合成を達成した。N-複素環カルベンを環構造に含んだ大環状金属錯体の合成に成功し、ロタキサン合成の可能性について検討した。さらに他の配位子を環構造に含む大環状化合物の合成についても検討を進めた。 (3)合成したロタキサンの動的挙動やキラリティーを明らかにした。[3]ロタキサンにおいては、比較的狭い空間内に大きな置換基を持った軸コンポーネントが2つ存在するため、その動的挙動に影響を及ぼすことが期待されたが、NMR(核磁気共鳴)を用いて検討した限りにおいては[2]ロタキサンと比較して特に動的挙動に変化は見られなかった。一方、[2]ロタキサンの軸コンポーネントを化学的に変換し、環構造の運動を制御することに成功した。導入した置換基の大きさにより環構造の移動(シャトリング)速度が変化することを明らかにし、シャトリングにおける活性化エネルギーを算出した。また、環構造にキラル中心を導入することによりキラル大環状銅錯体を合成し、さらに[2]ロタキサンへと誘導した。CDシグナルを解析することによりCDシグナルがロタキサンにおける様々な部位で誘起されていることを明らかにした。
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Research Products
(8 results)