2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26410128
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山下 建 (アルブレヒト建) 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教 (50599561)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 樹状高分子 / 超分子ポリマー / フェニルアゾメチン / トリフェニルメチリウム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、これまでに多く報告されている配位結合や水素結合などを利用した一般的な超分子構造体には難しい、長文構造体内に配位サイトを持ち多様な形状の超分子ポリマーを構築することを目的としている。 本年度は昨年報告した直線型架橋分子に関して、合成を引き続き行い超分子構造体のAFMによる観察を種々の基板上で行った。また、塩化スズなどの金属塩を超分子構造体に配位させることが可能であることをUV-visタイトレーションによって確認した。 架橋分子の構造を変化をさせることで超分子構造体の構造を変化させることを目指して、これまでの直線型架橋分子とは違う構造の屈曲型架橋分子の合成も行った。これまでの架橋分子と同様に薗頭カップリングによってフェニレンエチニレン骨格を構築し、これをベンゼン環のメタ位にそれぞれ結合させることで屈曲させた。両端にトリフェニルメタノール骨格を導入し、水酸基を塩素で置換した後に、テトラフルオロホウ酸銀と反応させることによってトリフェニルメチリウムへと誘導した。この屈曲型架橋分子に関してUV-visタイトレーションにより二置換フェニルアゾメチンデンドリマーの最内層への集積を確認した。また、DLS測定より従来の直線型架橋分子を使用した場合よりも小さな分子集合体が形成していることを確認した。 こうして得られた知見に関しては学会発表も行い、他の研究者から有用な助言を得たので今後の研究に活かす予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた、新規架橋分子の合成とデンドリマーへの集積による超分子構造体の構築に成功しており概ね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、新規に合成した屈曲型架橋分子を利用した超分子構造体の形態観察を行い架橋分子構造と超分子構造体の構造の相関を明らかとする。また、超分子構造体への金属塩の配位を進める。
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Causes of Carryover |
合成・測定が順調に進行したため、予定よりも薬品などの消耗品の使用額が少なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
架橋分子合成用の試薬や超分子構造体観察のための基板の購入。また、最終年度であるので、成果発表費用に使用する。
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Research Products
(6 results)