2014 Fiscal Year Research-status Report
水系刺激応答性ポリマー鎖間に働く疎水性相互作用の分子制御
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26410137
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
勝本 之晶 福岡大学, 理学部, 准教授 (90351741)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 高分子末端制御 / マルチブロック高分子 / 感熱応答性 / 立体制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
H26年度は,(1)両末端反応性Poly(2-isopropyl-2-oxazoline) (PiPrOx)の合成,(2)両末端反応性Poly(N-isopropylacrylamide) (PNiPAm)の合成,(3)Poly(ethylene oxide) (PEO)-Poly(propylene oxide) (PPO)マルチブロック高分子の合成,およびそれらのキャラクタリゼーションを行った.両末端にトシル基を有するdiethylene glycolを開始剤とし,リビングカチオン開環重合によりPiPrOxを合成した.反応停止剤に水/メタノール混合溶媒を用いることで両末端に水酸基をもつPiPrOxを得ることができた.Mw/Mnは1.4程度,Mnは2000-10000程度まで制御可能であった.NMR測定から末端導入率は90%以上であることを確認した.一方,S,S’-bis(α,α’-dimethylacetic acid) trithiocarbonate (BDAT)を合成し,これをRAFT剤として用いることで両末端にカルボキシル基を有するPNiPAmを得た.Mw/Mnは1.4程度,Mnは5000-40000程度まで制御可能であった.末端カルボン酸にスクシンイミド基を反応させ,導入率をNMRにて測定したところ,90%以上であることがわかった.また,重合の際にルイス酸触媒を用い,生成高分子の立体規則性を制御することにも成功した.PEO-PPOマルチブロック高分子は,両末端にアミンを有するPPOと両末端にスクシンイミジル基を有するPEOを脱水縮合することによって得た.得られたマルチブロック高分子のMnは150000程度で,PEOとPPOブロックが8個程度連なった構造をしていると考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた両末端反応性PiPrOxの合成および両末端反応性PNiPAmの合成に成功し,これらのキャラクタリゼーションも完了した.さらに,PEO-PPOマルチブロック高分子の合成とそのキャラクタリゼーションを行うとともに溶液物性についても研究を始めた.
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Strategy for Future Research Activity |
両末端に水酸基をもつPiPrOxおよび両末端にカルボン酸を有するPNiPAmのそれぞれを,PEOと脱水縮合させてマルチブロック高分子を得る方法を検討する.
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Causes of Carryover |
H26年度購入予定だった設備備品(DSC用冷却器)は,DSC本体の故障のため必要無くなり,代わりに熱分析(DTA)装置をH27年度以降に自作することにした.このため,次年度使用額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H27年度,H28年度にDTA装置を自作するので,そのための部品購入に充当する.
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Research Products
(13 results)