2016 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanistic Analysis of Chelate Extraction Using a Single Water Microdroplet/oil System by Microchemical Analysis Technique
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26410144
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| Research Institution | University of Tsukuba |
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Principal Investigator |
中谷 清治 筑波大学, 数理物質系, 教授 (00250415)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | キレート抽出 / 微小液滴 / 顕微分光 / 微小電極 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
水溶液中の金属イオンをキレート試薬により油相に抽出する過程は，水／油界面やバルク水相・油相中での様々な物質移動過程や反応が関係し複雑である。本研究では，単一微小水滴／油系の特異性を利用した新規分析手法を開発し，キレート抽出機構の速度論的解明を行った。
疎水性の5-オクチルオキシメチル-8-キノリノール(HQ)を含む1,6-ジクロロヘキサン相中で，カドミウムメッキした微小凹型電極上の窪み（直径20 μm，深さ10 μm）にマイクロキャピラリーマニピュレーション法で微小水滴を注入した。電気化学的にCd(II)イオンを水滴中に発生させ，水／油界面近傍のCdQ2の蛍光強度の時間依存性を共焦点蛍光顕微鏡で測定した。～0.2秒（本測定の時間分解能程度）での蛍光増加と10秒程度での減少（速度定数kd）が観測された。kdは，水相のpHおよび油相中のキレート試薬濃度，油相中の支持電解質濃度（水-油相間の液間電位は一定）には依存せず，液間電位にのみ依存した。電極表面と水／油界面の距離は10 μmで，この拡散時間は0.07秒程度であり，水／油界面近傍に生成したCdQ2が観測領域からバルク油相に拡散する時間は0.2秒程度であり，これらの過程はkdの律速段階ではないことがわかった。kdの液間電位依存性は極小点が観測されたことから，水／油界面に吸着したモノカチオンであるCdQ+錯体の界面での脱着が抽出速度の律速段階になっていることを明らかにした。
本手法で0.2秒以上の時間領域で起こる水／油界面における電解誘起化学・物理プロセスを解析できるようになり，キレート抽出を素過程に分離して速度論的に機構解析が可能となった。
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