2014 Fiscal Year Research-status Report
ミスマッチDNA塩基の回転を利用したシーケンス選択的なメチル化解析
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26410168
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
栗田 僚二 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 研究グループ長 (50415676)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | エピジェネティクス / メチルシトシン |
Outline of Annual Research Achievements |
自身のアイデアである「測定対象のメチルシトシンのみが長時間2本鎖DNAの外側を向き、非測定対象のメチルシトシンは内側を向いている」ことの証明が重要である。このコンフォメーションの違いをエピジェネティクス分析へと適用していくために、以下の検討を行った。先ず、測定したいメチルシトシンが不対になるような様々な2本鎖DNAを形成させ、この2本鎖DNAと抗メチルシトシン抗体との相互作用解析を行った。ミスマッチの形成には、測定対象のシトシンと対になる塩基箇所をアデニンやシトシン、チミン といった不対塩基(単純ミスマッチ)のみでなく、測定対象が飛び出すような膨らみを有する2本鎖DNA(DNAバルジ)や、対塩基が欠損した2本鎖DNA(AP site)を作製した。これらへの抗体の相互作用解析により、測定対象となるメチルシトシンを高効率に計測可能なコンフォメーションを導き出したところ、バルジ内のメチルシトシンへの結合が最も強いことが分かった。同一の抗原抗体反応であっても、2本鎖DNAの立体障害、および、隣接する塩基とのπ-π相互作用により、メチルシトシンの運動性が変化するためである。さらに、ゲノムDNAへ応用するために、制限酵素による断片化と回収を検討した。非メチル化感受性制限酵素を用いることで目的配列を含む遺伝子を規則的に断片化し、その断片化配列とほぼ相補的なビオチン化DNAによる回収実験を行った。その結果、測定対象シトシンのメチル化率と抗体の結合量にはきれいな直線関係があることが新たにわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画よりも順調に計画が進んでおり、論文化と採択まで終えたため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた知見に基づき、メチルシトシン検出用のデバイス開発をおこなう。
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Causes of Carryover |
11月までは東京本部に出向していたため、必要な消耗品の量が少なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、研究を加速させるために各種消耗品(DNAプローブ、抗体)等を購入予定である。
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