2014 Fiscal Year Research-status Report
結晶面を制御した卑金属元素固体触媒による温和な条件での水中硝酸イオンの除去
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26410191
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
大澤 力 富山大学, 理工学研究部(理学), 准教授 (60213683)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 硝酸イオンの還元 / 卑金属元素触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,水中の硝酸イオンを除去するための卑金属元素固体触媒の開発である。初年度は,ニッケル金属微粒子を用いて水中硝酸イオンの水素化を行い,高い窒素選択性を与えるニッケル結晶面の特定を試みた。塩化ニッケル水溶液をヒドラジンを用いて還元する際に,ポリビニルピロリドンを混在させるとNi(100)面を相対的に多くもつと考えられる五角柱をもつ粒子が得られた。また添加物を存在させないと,Ni(111)面を相対的に多くもつと考えられる六角形星形平板を積層させた粒子が得られた。これらを用いて水中硝酸イオンの水素化を行った結果,転化率は両ニッケル粒子ともほぼ同じであったが,Ni(111)面を多くもつニッケル粒子の方が窒素の選択性が若干高いことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の目的は,「高い窒素選択性を与えるニッケル結晶面の特定」であったので,Ni(111)面を多くもつニッケル粒子の方がNi(100)面を多くもつニッケル粒子より窒素の選択性が若干高いことを見いだせており,おおむね目的は達成されたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでNi(111)がNi(100)面よりも窒素の選択性が高いことが示唆されたため,Ni(111)面のみをもつニッケル微粒子の調製法を詳細に検討する。しかしながら,Ni(111)面とNi(100)面での窒素選択性の差はそれほど大きくはないとの結果も得られており,ニッケルにさらに助触媒を添加した触媒の調製を並行して行い,窒素選択性の向上をめざす。
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Causes of Carryover |
2014年度はガスクロマトグラフを購入したが,研究の遂行が可能である範囲内で当初購入予定の機種よりも低価格のものを購入,およびガスクロマトグラフ用レコーダーを既存のものを流用することで,余剰金が発生した。また,消耗品類を当研究室に既存のものを研究開始当時に用いていたことも一因である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2015年度は,余剰金も含めて,イオンクロマトグラフ用カラムの購入,反応装置の改良,高純度ガス,薬品類などの購入に充て,全体としては当初予定通りの使用計画とする。
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