2016 Fiscal Year Annual Research Report
Removal of nitrate in water by facet-controlled base metal solid catalyst
Project/Area Number |
26410191
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
大澤 力 富山大学, 大学院理工学研究部(理学), 准教授 (60213683)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 硝酸イオン / 卑金属元素固体触媒 / 結晶面制御 / ニッケル / 水素化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,水中の硝酸イオンを除去するための卑金属元素固体触媒の開発である。初年度は,ニッケル金属微粒子を用いて水中硝酸イオンの水素化を行い,高い窒素選択性を与えるニッケル結晶面の特定を試みた。塩化ニッケル水溶液をヒドラジンを用いて還元する際に,ポリビニルピロリドンを混在させるとNi(100)面を相対的に多くもつと考えられる五角柱をもつ粒子が得られた。また添加物を存在させないと,Ni(111)面を相対的に多くもつと考えられる六角形星形平板を積層させた粒子が得られた。これらを用いて水中硝酸イオンの水素化を行った結果,Ni(111)面とNi(100)面での硝酸イオン転化率,窒素選択性の差はそれほど大きなものではなかった。しかしながら,ニッケル微粒子調製時の温度を上昇させニッケル結晶子径を増大させると窒素選択性が向上することを見出した。平成27年度は,さらに高い水素化活性を持つニッケル基材の開発に重点をおき,ラネーニッケルをニッケル基材に用い,ラネーニッケル合金を展開前に焼成することによりニッケル触媒の構造・結晶性を変化させた。その結果,硝酸イオン転化率100%,窒素選択率40~60%程度まで向上させることに成功した。平成28年度は助触媒の検討を行った。ニッケル-アルミニウム合金にクロム,バナジウム,鉄,ジルコニウム,炭素,タングステン,あるいはモリブデンを添加したものより助触媒添加ニッケル触媒を調製した。その結果,タングステンあるいはモリブデンを添加したものは,無添加の場合と比較して長時間硝酸イオン転化率100%を保てることを見出した。 これまでニッケル触媒を用いた反応では,硝酸イオン転化率が100%近く得られる触媒は窒素選択率が10%程度の結果しか報告されていない。本研究により窒素選択率を大きく向上させることができ,本反応におけるニッケル触媒の有効性を確認できた。
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Research Products
(1 results)