2015 Fiscal Year Research-status Report
医薬品類由来の高毒性化したハロゲン化有機物がもたらす生物相汚染の究明
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26410195
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
寺崎 正紀 岩手大学, 人文社会科学部, 准教授 (10363904)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 代謝変換 / 酵母レポータージーンアッセイ / 芳香族炭化水素受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は塩素化プロピルパラベンの代謝物で、機器分析により3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシ安息香酸2-ヒドロキシ-1-メチルエチルと推測される物質の標品合成を試みた。テトラヒドロフラン中、トリフェニルホスフィンおよびアゾジカルボン酸ジエチル存在下、3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシ安息香酸とプロピレングリコールを室温にて反応させた。生成物は分取薄層クロマトグラフィー上でクロロホルム/メタノール(85/15, v/v)で展開させた4番目の画分を回収、濃縮した。核磁気共鳴分光法と精密質量分析から目的物質であることを確認した(収率51%)。ガスクロマトグラフ-質量分析計による代謝物および合成標品の保持時間とマススペクトルは一致したため、代謝物の同定に成功した。肝S9フラクションによる塩素化パラベンから当該物質への代謝変換率は、同定した代謝物6物質中2番目に高い32%であった。 また、当該物質の毒性に関して、YCM3酵母レポータージーンアッセイを実施したところ、ヒト芳香族炭化水素受容体への結合活性は認められなかった。これは活性物質である塩素化プロピルパラベンと比較して、エステル側鎖の嵩高い官能基の導入により芳香環との干渉が大きくなり、分子の平面性が低下したことによると考えられる。 次年度は水生生物および実験室での暴露試験も含めた塩素化パラベンとそれら代謝物の蓄積性・代謝メカニズムの解析を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
塩素化プロピルパラベンの代謝物6物質は、標品合成により入手し、そのすべての微量分析が可能となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
野外調査のデータについては、室内実験から整合性を確認する必要がある。これを次年度実施する予定である。
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Research Products
(2 results)