2014 Fiscal Year Research-status Report
疎水性場の付与に基づく磁性ナノ粒子固定化遷移金属触媒の高性能化
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26410200
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
藤田 賢一 独立行政法人産業技術総合研究所, 触媒化学融合研究センター, 主任研究員 (10242934)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | マグネタイト / 触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
含窒素複素環カルベンは不安定であり、単離および保存は容易でないため、その固相固定化体であるマグネタイト固定化含窒素複素環カルベン-遷移金属錯体の簡便な合成法が求められている。そこでマグネタイト固定化含窒素複素環カルベンの合成において、前駆体となるマグネタイト固定化イミダゾリウム塩を合成し、まず塩基を用いて反応系中で含窒素複素環カルベンの調製を試みた。 マグネタイト固定化ヨウ化イミダゾリウムは、ヨウ化 t-ブチルイミダゾリウムとマグネタイトを、エタノール中で 20 時間加熱還流しながら撹拌した後、磁石に引き寄せて反応溶液をデカンテーションすることにより得ることができた。ヨウ素の元素分析によりヨウ化 t-ブチルイミダゾリウムの担持量を決定した。 次に得られたマグネタイト固定化ヨウ化イミダゾリウムに対し、THF 中塩基としてカリウム t-ブトキシドを過剰量用いて、マグネタイト固定化含窒素複素環カルベンの調製を試みたところ、一部が含窒素複素環カルベンに変換されたことが分かった。 そこで、収率よく含窒素複素環カルベンを得る合成法を見出すべく、ポリマーに固定化したヨウ化イミダゾリウムを用い反応性を検証した。ポリマー固定化ヨウ化イミダゾリウムとカリウム化合物を水中室温で撹拌することにより一段階で、ハロゲンを含有しない固定化イミダゾリウムを調製し、このものを有機溶媒中加熱したところ収率よく含窒素複素環カルベンへと変換された。本検討により、固定化含窒素複素環カルベンを簡便に調製できることが明らかとなり、マグネタイト固定化体についても、同様に合成できることを確認している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目標として掲げた固定化含窒素複素環カルベンの簡便な合成方法を明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
マグネタイト固定化含窒素複素環カルベンの活性や再利用可能性をはじめとした触媒有用性について明らかにする。
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Causes of Carryover |
保有の試薬や理化学品で研究を行うことができたため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
外注分析や人件費に充当の予定
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Research Products
(1 results)