2015 Fiscal Year Research-status Report
PEDOT/糖鎖ポリマーを利用した近赤外熱線吸収フィルムの開発
Project/Area Number |
26410203
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Research Institution | Kumamoto Industrial Research Institute |
Principal Investigator |
堀川 真希 熊本県産業技術センター(ものづくり室、材料・地域資源室、食品加工室), その他部局等, 研究主任 (50588465)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永岡 昭二 熊本県産業技術センター(ものづくり室、材料・地域資源室、食品加工室), その他部局等, 研究主幹 (10227994)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 熱線吸収材 / 導電性高分子 / 硫酸化糖 / PEDOT / 透過性 / 断熱性 |
Outline of Annual Research Achievements |
オフィスビルや自動車などの透明性が要求される窓材において、省エネルギー化の観点から、熱線(赤外線以上)を効率的に遮断する熱線吸収材が求められている。近年、導電性高分子が熱線吸収材として検討されており、高い透明性を保ちながら、赤外線を吸収する特性を有し、導電性が高いほど赤外線遮蔽性が高いことが知られている。本研究では、導電性高分子であるポリ3,4ー(エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)/硫酸化糖ポリマーを用いた新規な熱線吸収材の検討を行なっている。平成26年度までに、糖を原料に用いて、硫酸化することにより、数種類の硫酸化糖ポリマーの調製を行うことができた。平成27年度は、硫酸化糖ポリマーの水溶液中で、過硫酸カリウムと硫酸鉄を開始剤に用いて、3,4ー(エチレンジオキシチオフェン)(EDOT)の酸化重合を行なった。重合後、透析により、重合開始剤および残存モノマー等の不要成分を除去して、PEDOT/硫酸化糖ポリマー溶液を調製した。ガラス基板上にPEDOT/硫酸化糖ポリマーのスピンコートを行い、120℃で20分間加熱することによって、水を除去して、PEDOT/硫酸化糖ポリマーの薄膜を調製した。ラマン分光分析により、PEDOTと硫酸化糖ポリマーが複合化されていることを確認した。平成28年度は、申請書に基づき、得られた熱線吸収膜の導電率、透過率および断熱性能について、評価を行なう計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度の研究計画では、熱線吸収材を調製することになっており、順調に進展している。平成26年度に得られた硫酸化糖ポリマー水溶液中で3,4-エチレンジオキシチオフェン(EDOT)を酸化重合することにより、PEDOT/硫酸化糖ポリマーの調製を行い、熱線吸収材を作製することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、得られた熱線吸収材の機能性評価(透過率および断熱性能等)を行なう予定である。得られた各機能の相関性についても、調査を行なう計画である。
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Research Products
(5 results)