2014 Fiscal Year Research-status Report
4種の形態を持つ酸化タングステン粒子からの可視光応答型光触媒の作製
Project/Area Number |
26410208
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
小島 一男 立命館大学, 生命科学部, 教授 (30131311)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 光触媒 / 可視光応答型 / 酸化タングステン |
Outline of Annual Research Achievements |
4種の形態のWO3結晶粉末粒子、すなわち球状(単斜結晶+三斜晶)、ディスク状(単斜結晶+三斜晶)、キューボイド状(単斜晶)、六角形状(六方晶)を合成することに成功した。特に、従来の水熱法では六角形状結晶はキューボイド状結晶がかなり混ざった状態で得られたが、本研究において、希硝酸に、WO3の原料であるタングステン酸アンモニウムパラ五水和物の水溶液をすばやく一度に加えるなどの実験上の工夫により、キューボイド状結晶がごく少量混ざった六角形状結晶粒子を得ることに成功した。これは重要な成果である。 これら4種のWO3結晶粒子に、助触媒PtまたはCu2+を担持して、4種の可視光応答型WO3結晶粒子を合成することに成功した。これらの粒子に対して、液相(メチレンブルー、PtおよびCu2+担持)または気相(アセトアルデヒド、Pt担持のみ)を用いて可視光照射による光触媒性実験を行い、Pt担持でもCu2+担持でも、キューボイド状および六角形状が高い光触媒活性を示すという結果を得た。また、Pt担持の場合について、単位比表面積当たりの光触媒活性は、六方晶結晶で高いことが分かった。高活性の理由について、WO3形態と結晶面、比表面積、Pt担持量などの観点から、一定考察を行った。 一方、これら4種のPt担持WO3結晶粒子を、ゾル・ゲル法を用いてSiO2やTiO2のゲル膜中に固定化して光触媒膜を作製する実験を行った。その結果、SiO2の場合、水溶液中で膜が剥がれ落ちてしまうことが多かったが、TiO2の場合そういうことなしに安定な膜が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画した実験を行うことができ、さらに国内学会・国際会議での発表のみならず、初年度に論文発表(掲載決定)を行うことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
Cu2+担持の場合について、気相(アセトアルデヒド)での可視光照射による光触媒性実験を行う。 キューボイド状および六角形状が示す高い光触媒活性を詳細に比較検討し、その理由について、WO3形態と結晶面、比表面積、助触媒担持量などの観点から、引き続き検討する。 4種の助触媒を担持した4種のWO3結晶粒子をゾル・ゲル法を用いてTiO2のゲル膜中に固定化した光触媒膜に対して、液相(メチレンブルー)および気相(アセトアルデヒド)光触媒性実験を行う。 ゾル・ゲル法を用いてSiO2ゲル膜中に固定化した場合、水溶液中で膜が剥がれ落ちてしまった前年度の結果について、再検討する。
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Research Products
(5 results)