2015 Fiscal Year Research-status Report
4種の形態を持つ酸化タングステン粒子からの可視光応答型光触媒の作製
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26410208
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
小島 一男 立命館大学, 生命科学部, 教授 (30131311)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 光触媒 / 可視光応答型 / 酸化タングステン / 白金担持 / 銅担持 |
Outline of Annual Research Achievements |
形状の異なる4種類のWO3粉末(球状:N、ディスク状:D、直方体状:C、六角形状:H)を合成し、吸着法を用いて銅イオン1 wt%を担持した(Cu-WO3)。これらの粉末を用いて、青色LED(波長:473 nm)照射下における、水中のメチレンブルー(MB)の光触媒分解反応を行った。その結果、いずれのWO3粉末試料も光触媒活性を示し、MBを分解することができた。4種の形態を比較すると、未担持WO3およびCu-WO3試料とも、C-WO3が最も高い光触媒活性を示した。 一方、4種のWO3に光析出法を用いて白金(Pt)を担持し、青色LED照射下での酢酸(気相)の二酸化炭素(CO2)への無機化反応に対する光触媒活性の評価を行ったところ、D-WO3が最も高い活性を示した.D-WO3の焼成温度を200℃から1000℃まで変化させると、形状が徐々に変化した。それら試料の活性は、700℃の試料で最大であった。担持したPtの粒径に変化がみられなかったため、光触媒活性の向上には、WO3の比表面積と結晶性のバランスが重要であると考察された。最も高い活性を示した700℃焼成のD-WO3にPtを0.5 wt%担持した試料は、酢酸を完全に無機化することができた。 さらに、4種のWO3光触媒の活性評価として、青色LED照射下で、電子供与剤(硫酸銀(20 mM)存在下における水溶液からのO2生成反応を調べた。 その結果、C-WO3が最も高い光触媒活性を示した。C-WO3粉末の作製過程の焼成温度を変化させると(200-1000℃)、500℃で焼成したものまでは直方体状の形状を保っていたが、600℃以上の温度で焼成すると直方体状の角がとれ、形状が崩れた。光触媒活性に対する焼成温度依存性を調査した結果、直方体状の粒子では、400℃で焼成した試料が最も高い活性を示した。直方体状の形状が崩れた粒子では、800℃で焼成した試料が最も高い活性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画した実験をほぼ行うことができ、国内学会で3件発表したため。しかし、国際会議での発表や論文発表はできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
Cu-WO3とPt担持WO3(Pt-WO3)について、気相と液相での可視光照射下光触媒活性評価を総括的に行い、結果を比較して、最も高活性な光触媒を見出す。同時に、比表面積測定や電子顕微鏡観察を総括的に行い、高活性の機構を明らかにする。 また、Pt-WO3について、NaIO3水溶液でのO2生成反応に対する可視光照射下光触媒活性評価を行い、平成27年度の無担持の硫酸銀水溶液の結果と比較検討する。 平成28年度は最終年度であることから、本研究の成果が得られるようにする。成果公表として、2報目、3報目の論文発表を目指す。
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Research Products
(4 results)