2016 Fiscal Year Annual Research Report
Fundamental study on the development of photo-biofuel cells producing fuels during the discharge
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26410210
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Research Institution | Niihama National College of Technology |
Principal Investigator |
矢野 潤 新居浜工業高等専門学校, 数理科, 教授 (10200552)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 光ガルバニ電池 / NADHモデル化合物 / フラビン類 / NADH |
Outline of Annual Research Achievements |
陽極に白金板電極、陰極に白金黒付き白金板電極を用いて作製したBNAH(NADHモデル化合物)/フラビン類光ガルバに電池について、電池反応機構の検討を行った。まず、照射光のどの波長の光が有効なのかを調べるために、4種類のカットオフフィルターを装着した光源を用いて、光ガルバニ電池の電池電流を測定した。その結果、445 nm以下の波長光をカットした光を照射しても明瞭な電池電流が観測されたが、545 nm以下の波長の光をカットした光を照射した場合には電池電流は観測されず、電池が作動しないことを見出した。BNAHの最大吸収波長が354 nm、フラビン類の最大吸収波長が450 nmであったことから、電池が作動するにはフラビン類の光励起が必要不可欠であることが分った。次に、電池を組まずにBNAHとフラビン類を共存させた溶液に光照射したときの、フラビン類の濃度変化を追跡した。その濃度は時間に対してS字形の依存となり、その依存は反応温度を変化させてもほとんど同じ依存となった。これらの結果から、電池反応は光励起されたフラビン類とBNAHの連鎖反応であり、そのメカニズムを把握できた。 NADHモデル化合物とフラビン類を用いた光ガルバニ電池について得られた知見を基に、モデル化合物ではなくNADHそのものを用いた光ガルバニ結果の構築を試みた。電池電流を得るのに最も効果的なフラビン類が、フラビンモノヌクレオチド(FMN)であることも見出した。電池の配置も2室式ではなく単室セル中に素焼きの陰極室を配置し、電池電流をより大きく得ることにも成功した。電池作動時のNADHとFMNの濃度追跡から、FMNが効率良く電子メディエーターとして機能していることを確認できた。
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Research Products
(4 results)