2014 Fiscal Year Research-status Report
アゾベンゼン系分子材料が示す光誘起物質移動現象の機構解明と光駆動微小機械の開発
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26410211
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
中野 英之 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00222167)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | フォトメカニカル効果 / アゾベンゼン / フォトクロミックアモルファス分子材料 / 偏光 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは、アゾベンゼン系フォトクロミックアモルファス分子材料を用いて、さまざまな光誘起物質移動現象を見出してきた。本研究では、関連するさまざまな現象の発現機構の解明上、最重要課題となっている「なぜ物質移動が照射光の偏光方向と平行に誘起されるか」を明らかにして、光誘起物質移動の発現機構の全容解明を目指す。さらに、アゾベンゼン系フォトクロミックアモルファス分子材料を用い、物質移動を動力として有効に引き出せるような形状を付与した微小機械を設計・作製し、その光照射に伴う動作評価を行って、これまでになかった光誘起物質移動現象を利用する光駆動微小機械の実現を目指す。 本年度は、様々な環境におかれたフォトクロミックアモルファス分子材料についてレーザー光を照射した場合のフォトメカニカル効果を検討した。アゾベンゼン系分子材料と酢酸ビニルとの複合膜について、スピンコート膜を加熱処理して得られる相分離膜にレーザー光を照射すると、円盤状のドメイン構造が偏光方向に引き伸ばされ、最終的にドメインが分裂するように変形すること、寒天ゲル中に分散したアゾベンゼン系分子ガラスの粉末にレーザー光を照射すると、粉末が偏光方向と平行に紐状に伸びた特異な構造に変化すること、などを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最終目標である、フォトメカニカル効果を用いた微小機械の開発に向けて、さまざまな環境でのアゾベンゼン系フォトクロミックアモルファス分子材料の光照射下での挙動について新たな知見を得ることができている
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Strategy for Future Research Activity |
さまざまな現象が見つかってきたものの、そのメカニズムが明確でないため、さまざまな条件でのフォトメカニカル効果を検討し、メカニズムの解明を目指す。その結果をふまえ、微小機械の設計・作製をおこなっていく。
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