2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of polycrystalline thin film fabrication techniques by crystallization of amorphous thin films for improvement of organic electronics device performance
Project/Area Number |
26410215
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
景山 弘 琉球大学, 工学部, 准教授 (50294038)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アモルファス材料 / 結晶化 / 有機電界効果トランジスタ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、有機アモルファス材料が有する高い成膜性と、加熱や溶媒蒸気への暴露といった外部刺激により結晶化するアモルファスガラス固体の性質を利用した新しい結晶薄膜作製技術を開発するとともに、作製した結晶薄膜を用いることによる有機デバイスの性能向上を図ることを目的としている。 昨年度は、melt-press法による有機電界効果トランジスタ作製の予備実験を行い、加熱融解させた材料を二枚の基板で挟み、冷却することにより作製したアモルファス膜を用いる有機電界効果トランジスタ (OFET) が実際に動作することを確認した。しかしながら、melt-press法では薄膜化に限界があったため、今年度は、より薄い膜を作製するための新しい手法の開発の観点から、蒸着法により作製したアモルファス薄膜 (膜厚50-300ナノメートル程度) の結晶化法の開発を行った。 有機アモルファス膜をガラス転移温度以上に加熱して過冷却液体にすると流動性を帯びるため、一般に、結晶化よりも速く液滴状に凝集し、結晶薄膜は得られない。これを解決するため、蒸着法で作製したアモルファス膜上に高分子薄膜を積層してから加熱する新しい手法を考案した。この手法を用いることにより、アモルファス薄膜を加熱しても凝集することなく結晶薄膜が得られることを明らかにするとともに、この結晶薄膜を用いるOFETが実際に動作することを確認した。 次に、結晶性やOFET特性におよぼす加熱温度依存性を検討した。加熱温度が低いときは、サイズの小さい結晶が多数生成するのに対して、加熱温度を高くするのにともなって結晶サイズが大きくなることを明らかにした。また、結晶薄膜を用いるOFETの移動度は、結晶サイズの拡大に伴って向上し、アモルファス膜を用いるOFETのそれに比べて移動度が最大で約70倍に向上することを明らかにした。
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Research Products
(6 results)